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研究書(文学系) 詳細
蜻蛉日記研究
─作品形成と「書く」こと─
書名かな | かげろうにっきけんきゅう─さくひんけいせいと「かく」こと─ |
---|---|
著者(編者)名 | 斎藤 菜穂子 著 |
著者(編者)名かな | さいとう なほこ |
ISBNコード | 978-4-8386-0249-0 |
本体価格 | 8,500円 |
税込価格 | 9,350円 |
判型 | A5判上製函入り |
頁数 | 312頁 |
刊行日 | 2011年4月5日 |
在庫 | 残部僅少 |
『蜻蛉日記』は『土佐日記』と共に日記文学の嚆矢とされており、女流文学としてまた現存仮名文学作品としても初期のものである。
本書では和歌と密接に関わり歌反故をもとにしたと考えられる『蜻蛉日記』の作品形成を、本文の表現自体に即し多角的に分析することを通して捉え直し、また、『蜻蛉日記』が歌反故から一個の自立した作品にかたち作られていく経緯を「形成」と捉え、その形成過程を作品の表現自体から探る音で、『蜻蛉日記』がこの時期に生まれ出た意味と果たした役割について考ている。
本書では和歌と密接に関わり歌反故をもとにしたと考えられる『蜻蛉日記』の作品形成を、本文の表現自体に即し多角的に分析することを通して捉え直し、また、『蜻蛉日記』が歌反故から一個の自立した作品にかたち作られていく経緯を「形成」と捉え、その形成過程を作品の表現自体から探る音で、『蜻蛉日記』がこの時期に生まれ出た意味と果たした役割について考ている。
日記文学作品の存在価値について新たな視点を提示したが、この作品中の個々の表現との関りが十分に論じられたとは言いがたい。
本書では作品中の個々の表現自体に着目しその分析を通して、和歌や和歌的表現との関係性、また作為的な表現構造や場面自体の自立性を検討し、『蜻蛉日記』の形成の有りようを考察していく。
そして表現分析によって作品自体が内側から照らしているものを捉え、それを文学史において積極的に意味づけ、更に『蜻蛉日記』が影響を受けまた与えた文学的要素を検出して、『蜻蛉日記』の外へと拓かれていく論を目指す。
本書では作品中の個々の表現自体に着目しその分析を通して、和歌や和歌的表現との関係性、また作為的な表現構造や場面自体の自立性を検討し、『蜻蛉日記』の形成の有りようを考察していく。
そして表現分析によって作品自体が内側から照らしているものを捉え、それを文学史において積極的に意味づけ、更に『蜻蛉日記』が影響を受けまた与えた文学的要素を検出して、『蜻蛉日記』の外へと拓かれていく論を目指す。
Ⅰ 和歌と引歌・歌語表現の独自性1
第一章 〈父の離京〉における贈答歌
第二章 上巻の道綱母長歌の構造
第三章 鳴滝籠りの引歌表現群
第四章 鳴滝籠り後の歌語表現の変化
Ⅱ 作為的表現世界と「書く」こと
第五章 唐崎祓いの構造
第六章 上巻における「をば」
第七章 鳴滝籠りにおける「をば」
第八章 下巻冒頭部の兼家訪問記事について
第九章 下巻における漢文的表現
第十章 作為的表現の意義
Ⅲ 「書く」という語と作品形成
第十一章 『蜻蛉日記』成立の基底
第十二章 『蜻蛉日記』と「とよかげ」
第十三章 上巻前半部の成立考
第十四章 私家集を内包する『蜻蛉日記』
第十五章 「巻末歌集」との連続性
第十六章 『蜻蛉日記』における「書く」の入れ子構造
第十七章 平安仮名文学の系譜試論
初出一覧
第一章 〈父の離京〉における贈答歌
第二章 上巻の道綱母長歌の構造
第三章 鳴滝籠りの引歌表現群
第四章 鳴滝籠り後の歌語表現の変化
Ⅱ 作為的表現世界と「書く」こと
第五章 唐崎祓いの構造
第六章 上巻における「をば」
第七章 鳴滝籠りにおける「をば」
第八章 下巻冒頭部の兼家訪問記事について
第九章 下巻における漢文的表現
第十章 作為的表現の意義
Ⅲ 「書く」という語と作品形成
第十一章 『蜻蛉日記』成立の基底
第十二章 『蜻蛉日記』と「とよかげ」
第十三章 上巻前半部の成立考
第十四章 私家集を内包する『蜻蛉日記』
第十五章 「巻末歌集」との連続性
第十六章 『蜻蛉日記』における「書く」の入れ子構造
第十七章 平安仮名文学の系譜試論
初出一覧
あとがき
索引
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