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源氏物語の空間表現論

書名かな げんじものがたりのくうかんひょうげんろん
著者(編者)名 金 秀美 著
著者(編者)名かな きんすーみ
ISBNコード 978-4-8386-0232-2
本体価格 8,000円
税込価格 8,800円
判型 A5判上製函入
頁数 308頁
刊行日 2008年12月20日
在庫 在庫あり
※10冊以上購入ご希望の場合には別途ご連絡下さい。
凡例

 序章 『源氏物語』の物語空間を解読するために
  一 はじめに
  二 空間表現(Space Expression)と
     物語空間(Narative space)

  三 登場人物の〈移動〉(Movement)とその機能
  四 考察方法と目的

Ⅰ 作中人物の移動と空間表現
 第一章 若紫巻の北山考―若紫獲得への道筋と空間表現―
  一 はじめに
  二 北山の朧化の意味
  三 若紫獲得への道筋と空間表現―①かいま見の場面―
  四 若紫獲得への道筋と空間表現―②尼君との対面場面―
  五 北山の変遷
  六 おわりに
  [符節]北山と『遊仙窟』―空間移動の類似から―

 第二章 海づらと山里―須磨の空間表現とその機能―
  一 はじめに
  二 須磨における空間表現
  三 須磨における山里の空間
  四 須磨の山里の空間の背景
  五 おわりに

 第三章 異郷と境界と物語空間
      ―須磨の暴風雨の場面の分析から―

  一 はじめに
  二 須磨の海の空間表現―『竹取物語』との類似
  三 須磨の海の空間表現―『浦島子伝』との類似
  四 三月一日の禊―源氏の海への移動と自覚―
  五 須磨の空間の変換―明石の「世界」とつながる空間―

 第四章 明石君と桂の院
      ―重層的な物語空間の解読をめざして―

  一 はじめに
  二 桂という場―伊勢と仲忠母と明石君―
  三 桂の院の饗宴と明石君
  四 桂の院の位置不定の作用
  五 都への通路としての桂の院
     ―明石君に附された「山里」の二重性

  六 おわりに

 第五章 玉鬘物語における九条と椿市
      ―〈市〉をめぐる説話との関わりから―

  一 はじめに
  二 玉鬘物語における「椿市」という空間
  三 説話における〈市〉の空間
  四 九条と椿市―「市女」と「市」―
  五 玉鬘物語の独自の展開
  六 おわりに

Ⅱ 建築内部の空間表現と物語世界
 第一章 夕霧巻の小野の山荘―その空間読解―
  一 はじめに
  二 小野の山荘における登場人物の位置
  三 「まめ人」夕霧の移動と暴力性
  四 廂という場―僧侶という外界の視線―
  五 廂という場―女房という内部の視線―
  六 おわりに

 第二章 紅梅巻の空間配置
      ―紅梅大納言の家族空間と色好みの場―

  一 はじめに
  二 寝殿の規模―その数字が意味するもの―
  三 物語本文における登場人物の居場所
  四 紅梅大納言の位置と色好みの場
  五 物語における紅梅大納言の邸宅の性格
  六 おわりに

 第三章 紅梅巻の贈答歌考
      ―登場人物の居所との関わりから―

  一 はじめに
  二 「紅梅」をめぐる紅梅大納言と匂宮との認識のズレ
  三 匂宮の返歌の二重性
  四 二度目の紅梅大納言と匂宮との贈答の場面
  五 おわりに

 第四章 総角における隔ての空間表現
      ―大君と薫の関係を照射するものとして―

  一 はじめに
  二 「障子の中より御袖をとらへて」の場面解読
  三 二人の位置と隔ての具
  四 「障子の閉鎖」と「袖をとる行為」
      ―隔ての維持と破壊―

  五 大君と薫の物語の展開
  六 おわりに

Ⅲ 住まいの文化と物語の空間表現
 第一章 『源氏物語』における障屏具
       ―可変的な物語空間を作り出す装置として―

  一 はじめに
  二 平安時代の建築空間と障屏具
  三 物語空間における障屏具の機能①
  四 物語空間における障屏具の機能②
  五 中の戸―紫上と女三宮の関係の形象化―
  六 おわりに

 第二章 『源氏物語』における戸締まり具
      ―空間表現への視座から―

  一 はじめに
  二 『源氏物語』における戸締り具
  三 戸締り具の名称と構造
  四 中古物語における戸締り具
  五 「さす」という語の解釈
  六 おわりに
 終章

  初出一覧
  あとがき

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