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研究書(文学系) 詳細
紫式部日記の作品世界と表現
書名かな | むらさきしきぶにっきのさくひんせかいとひょうげん |
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著者(編者)名 | 村井幹子 著 |
著者(編者)名かな | むらいみきこ |
ISBNコード | 978-4-8386-0268-1 |
本体価格 | 11,000円 |
税込価格 | 12,100円 |
判型 | A5判上製函入 |
頁数 | 400頁 |
刊行日 | 2014年3月30日 |
在庫 | 在庫あり ※10冊以上購入ご希望の場合には別途ご連絡下さい。 |
はじめに ―『紫式部日記』という作品―
一 『日記』の内容とその多様な表現形態について
二 『日記』の内容の二面的性格と多様な表現形態に
関する主な見解について
(1)『日記』内容の二面的性格に関する見解について
(2)『日記』の現存形態に関する見解について
三 『紫式部日記』という作品をどう捉えるか
第一章 主家賛美の表現(1)―「をかし」をめぐって―
第一節 『日記』における「をかし」の使われ方について
第二節 「敦成親王誕生を中心とした記録的部分」に
おける「をかし」について
第三節 「いわゆる〈消息〉体による随想的部分」に
おける「をかし」について
一 「中宮女房個人批評」における「をかし」について
二 「斎院所と中宮所との比較批評」における「をかし」
第四節 『日記』冒頭部と「年次不詳の十一日の暁」の
記事における「をかし」について
一 『日記』冒頭部の「をかし」について
二 年次不詳の「十一日の暁」の記事における「をかし」について
第二章 主家賛美の表現(2)―「いまめかし」をめぐって―
第一節 「敦成・敦良両親王誕生を中心とする記録的部分」
における「いまめかし」について
一 「敦成親王誕生を中心とした記録的部分」における
「いまめかし」について
二 五節の舞姫への「いまめかし」について
三 「敦良親王誕生に関わる記録的部分」における
「いまめかし」について
四 『日記』の「いまめかし」の持つ時間軸
第二節 「いわゆる〈消息〉体による随想的部分」における
「いまめかし」について
一 小大輔批評における「いまめかし」について
二 宮の内侍批評における「いまめかし」について
第三節 年次不詳の「十一日暁」の記事における「いまめかし」について
一 中宮大夫斉信に対する「いまめかし」について
二 当時の人々の「今様歌」への認識と『日記』の
「今様歌」に関する記述
三 再び「十一日の暁」の記事における「今様歌」について
第三章 《作者の憂愁の思い》を担う表現
―「憂し」をめぐって―
第一節 「敦成親王の誕生を中心とする記録的部分」
における「憂し」①~⑤について
一 第1節『日記』冒頭部分における「憂し」①について
二 第24節「一条天皇の土御門殿行幸直前の記事」
における「もの憂し」②について
三 第34節「里居の記事」における「憂し」③について
四 第35節「中宮の内裏還啓」記事における「憂し」④について
五 第38節「殿上の淵酔・御前の試み」における「もの憂し」⑤について
第二節 「いわゆる〈消息〉体による随想的部分」における
「憂し」⑥⑦⑧について
一 〈消息〉体前半部(第46節~第48節)の内容
(1)第46節「中宮方女房の個人批評」
(2)第47節「斎院方女房と中宮方女房との比較批評」
(3)第48節「和泉式部・赤染衛門・清少納言」批評
二 〈消息〉体後半部「作者自身の人生述懐と宮仕えのありよう」
(第49節~第51節)における《作者の憂き思い》の表出を
担う表現「憂し」(含「もの憂し」「心憂し」)について
(1)第49節「わが身をかえりみて」の記事における
「もの憂し」(⑥)
(2)第51節「日本紀の御局・楽府御進講」記事における
「心憂し」⑦と「憂し」⑧について
第三節 「いわゆる〈消息〉体による随想的部分」の「跋文」と《作者の憂
愁の思い》を担う表現「憂し」との関わり
一 第52節「求道への願いとためらひ」のもつ意味性について
二 第53節〈消息〉体「跋文」と《作者の憂愁の思い》
を担う表現「憂し」との関わりについて
三 『源氏物語』登場人物をとおして語られる「ものいう
行為」への思いについて
第四章 『紫式部日記』の回想の方法
第一節 『紫式部日記』の日付―その顕現と喪失―
一 紫式部日記の日付
二 日付の顕現 ―皇子誕生部分―
三 日付の喪失(1)―「行幸近くなりぬとて」―
四 日付の喪失(2)
―「小少将の君の、文おこせたる返りごと書くに」―
五 一条帝行幸「当日」記事の日付
第二節 〈消息〉体仮託による回想の方法
一 〈消息〉体仮託による随想的部分の内容
二 記録的部分における会話と〈消息〉体部分との重なり
三 『日記』の中の〈消息〉(〈文〉)のありよう
四 『日記』における随想的部分の、〈消息〉体仮託のも
つ表現性について
第五章 『紫式部日記』の表現構造
第一節 中宮女房批評をめぐって
一 晴の盛儀と女房の装束姿
二 人の「かたち」
三 「心ばせ」と作者
四 再び装束へ
第二節 「斎院」批判をめぐって
一 当時の斎院サロン
(1)『大斎院前の御集』からうかがわれる斎院サロン
(2)『大斎院御集』からうかがわれる斎院サロン
二 二つの後宮サロンと斎院サロン
三 『日記』の中の斎院批判
第三節 道長像の描かれ方をめぐって
一 皇子誕生記事における道長像
二 歌人・文人としての道長像
(1) 歌人としての道長像
(2) 文人としての道長像
第四節 比喩表現「夢のように」をめぐって
一 『日記』の比喩表現の諸相
二 比喩表現「夢のやうに」について
三 『日記』の比喩表現「夢のやうに」のもつ意味性
第五節 土御門殿の庭園描写をめぐって
一 道長の私邸「土御門殿」について
二 『日記』に描かれた土御門殿の庭園
三 『日記』の庭園描写のもつ意味性について
第六章 『紫式部日記』の表現と文体
第一節 敦成親王誕生を中心とした記録的部分に見られる文体的特徴
一 敦成親王誕生記事(第12節)における文体的特徴
二 一条帝土御門殿行幸直前の記事(第24節)における文体的特徴
第二節 いわゆる〈消息〉体による随想的部分に見られる文体的特徴
一 「斎院御所と中宮御所との比較批評」(第47節)における文体的特徴
二 「作者の宮仕えのありよう」の述懐記事
(第51節)における文体的特徴
第七章 『源氏物語』の表現
第一節 「夕顔」巻にみられる状況表現構造
一 「夕顔」巻における「物の怪」出現場面
二 感覚的印象による状況表現の種々相
三 「葵」「若菜下」「柏木」各巻における「物の怪」出現の場面描写
第二節 『源氏物語』にみられる女性観
―紫の上への表現を中心に―
一 「雨夜の品定め」にみられる女性観
二 物語の中の女性たち
(1)〈空蝉〉という女性像
(2)〈夕顔〉という女性像
(3)〈紫の上〉という女性像
(4)〈そのほかの人物〉に見られる女性像
三 『源氏物語』に見られる女性観
おわりに―『紫式部日記』の作品世界―
一 寛弘五年秋から同六年正月まで
(1)『日記』冒頭部(序章部)
(2) 皇子誕生ならびに各種生誕行事をめぐる部分
二 いわゆる〈消息〉体による女房批評と人生述懐
三 〈消息〉体部分以降、寛弘七年正月まで
初出一覧
あとがき