書籍案内

ホーム > 書籍案内 > 研究書(文学系) > 平安朝物語の後宮空間―― 宇津保物語から源氏物語へ――

研究書(文学系) 詳細

平安朝物語の後宮空間 画像

立ち読みする

平安朝物語の後宮空間

― 宇津保物語から源氏物語へ―
書名かな へいあんちょうものがたりのこうきゅうくうかん うつほものがたりからげんじものがたりへ 
著者(編者)名 栗本 賀世子 著
著者(編者)名かな くりもとかよこ
ISBNコード 978-4-8386-0269-8
本体価格 8,500円
税込価格 9,350円
判型 A5上製カバー装
頁数 256頁
刊行日 2014年4月20日
在庫 品切れ中

第16回 2014年度 紫式部学術賞紫式部学術賞 授賞

後宮空間を描き出す方法とは?


現代の我々には、とっさに桐壺や弘徽殿が内裏のどこにあるかなどは思い浮かばないが、
当時の読者にはそれが常識であり、いちいち説明されなくてもわかっていたのであった。作者がわざわざ書かなかった部分まで含めて物語を理解するためには、当時の殿舎の実態を知らねばならいが、それについては、未だ完全には解明されていないというのが現状である。――――
――――本書は、各殿舎についてそれぞれ資料を徹底的に調査する中で新たに知り得た情報を手掛かりに、現存する最古の長編物語である『宇津保物語』と、その影響を多大に受けつつも、さらに発展させ、巧みに後宮を描き出した『源氏物語』の二作品を考察し、その後宮空間を描き出す方法に迫る。

   序
   平安宮内裏図
   凡例
第一編  『宇津保物語』の後宮空間
 第一章   朱雀帝后宮考
      ――常寧殿を用いる母后
――
  一 はじめに
  二 史実における常寧殿(后町)
  三 母后の内裏滞在と政治
  四 結び

 第二章   仁寿殿女御考
      ―その殿舎をめぐって
  一 はじめに
  二 史実における仁寿殿
  三 『宇津保物語』の仁寿殿
  四 後宮の主役、仁寿殿女御
   1 内侍のかみ巻と仁寿殿女御
   2 華麗なる「賄ひの女御」
  五 結び
 第三章   東宮の後宮
      ――梨壺の問題を中心に――
  一 はじめに
  二 史上における梨壺の皇妃――慶子と安子
  三 仲忠妹の設定――梨壺に住まう東宮妃
  四 内裏にひしめく東宮妃たち――非現実的な東宮後宮
  五 結び

第二編 『宇津保物語』から『源氏物語』への展開
 第一章 殿舎名で呼ばれる更衣たち
      ――梅壷更衣から桐壷更衣へ
――
  一 呼称「桐壺更衣」の先行研究と問題点
  二 皇妃の俗称としての「更衣」
  三 忠こそ巻と桐壺巻
 第二章 藤壷の系譜
      ――『宇津保物語』あて宮を始発として
――
  一 はじめに
  二 史実における藤壺の皇妃たち
  三 あて宮と藤壺
  四 藤壺中宮への影響
   1 寵妃から母后への変貌
   2 男主人公との絆――密通の有無
  五 結び
 第三章 宇津保・源氏の承香殿
      ――悲願を果たしえぬ皇妃たち――
  一 はじめに
  二 史上の承香殿女御――時めかぬ女御たち
  三 物語の承香殿たち――交遊のわき役としての造型
  四 結び

第三編 『源氏物語』の後宮空間
 第一章 斎宮女御の梅壷入り
      ――後見との関わりをめぐって
――
  一 はじめに
  二 梅壺の皇妃たち
  三 光源氏の配慮「うけばりたる親ざまに聞こしめされじ」
  四 結び
 第二章 玉鬘の踏歌見物
      ――宮中参内の意義をめぐって
――
  一 はじめに
  二 承香殿の共用
  三 男踏歌の六条院への不参
  四 天皇と臣下の人妻の恋
  五 結び
 第三章 女三宮の輿入れ
      ――入内・参院儀礼と比較して
――
  一 はじめに
  二 平安時代の天皇・上皇の婚姻儀礼
   1 先行研究の問題点
   2 益田勝実説の再検討
  三 「准太上天皇」の利用
  四 結び
 第四章 宿木巻の藤壷女御
      ――繰り返される藤壷――
  一 はじめに
  二 御代替わりに伴う皇紀の移動
  三 物語の内なる準拠
  四 結び

   初出
   あとがき
   索引

一覧に戻る

書籍案内

  • 新刊
  • 近刊
  • 話題の本(おすすめ)
  • 古典影印叢書
  • 研究書(文学系)
  • 研究書(語学系)
  • 注釈書・単行本など
  • 教材

武蔵野書院のX

紫式部学会のブログ

文献日本語学の広場

特定商取引に基づく表記