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〈今・ここ〉に効く源氏物語のつぶやき

書名かな いまここにきくげんじものがたりのつぶやき
著者(編者)名 諏訪園 純 著
著者(編者)名かな すわぞの じゅん
ISBNコード 978-4-8386-0481-4
本体価格 1,200円
税込価格 1,320円
判型 四六判並製カバー装
頁数 232頁
刊行日 2018年10月10日
在庫 在庫あり
※10冊以上購入ご希望の場合には別途ご連絡下さい。
源氏物語の「つぶやき」に
耳を傾けてみませんか?

 物語や小説を読む中で、登場人物が何となく口にした言葉がいつまでも心に残ることがある。文脈と言う衣を取り去った後に残るむき出しの言葉の断片は、読者の生きる<今・ここ>に解き放たれて、ときに人を導き、ときに人を励ます。
 そんな源氏物語の「つぶやき」を一つひとつ抜き書きし、テーマごとに整理した本書は、時代小説や恋愛小説とは違った、もう一つの源氏物語像を提示するものである。源氏物語の言葉について、その過去や来歴を振り返るのではなく、我々の〈今・ここ〉と掛け合わせることで、それをありのままに享受しようとするとき、物語の言葉はストーリーのくびきから解き放たれ、場面や巻を隔てて交響し、多声的な意味を生成することであろう。(「はじめに」より抜粋)
 目 次

はじめに
   ▼ノート①源氏物語のジャンル
   ▼ノート②国語=現国+古典、という概念
   凡例
   本書に関する主な登場人物

第1章 生を照らす光
 1 毎日の暮らし
  ◆心の置き場
  ◆しなやかに生きる
  ◆公と私
  ◆学ぶということ
   ▼ノート③源氏物語を書いたのは誰か
   ▼ノート④短いフレーズをいくつか
 2 生の果てに待つもの
  ◆長生きは
  ◆生と死の位相

第2章 運命に生かされる
 1 運命に漂う
  ◆良くも悪くも運命は
 2 運命という諦念
  ◆諦めたその先に
  ◆主体を越えて

第3章 世間を泳ぎきる
 1 人間関係の不協和音
  ◆上手くいかない
  ◆人の心は
   ▼ノート⑤登場人物の気持ちは読めるのか
  ◆仲間の条件
 2 噂との付き合い方
  ◆噂とは何なのか
  ◆噂への処方箋

第4章 モノの言い方
 1 会話の手ほどき
  ◆何事もほどよく
   ▼ノート⑥紫式部像の生成
  ◆配慮と行儀
 2 語ることの効用
  ◆モヤモヤをカタチに

第5章 人間の諸相
 1 こんな人あんな人
  ◆環境は人をつくるか
  ◆人間のあれこれ
  ◆結局のところ
 2 年齢は重なる一方
  ◆年齢を重ねて分かること
  ◆高齢を生きる
  ◆他方、若者自身は
 3 立場とともにある人
  ◆高い身分と低い身分
  ◆僧と法師と
  ◆賢人と師匠
  ◆博士たち
 4 子は人を親にする
  ◆親とは
  ◆子育てのヒント

第6章 男の理想と女の現実
   ▼ノート⑦語り手とは何か
 1 男の語る「女」論
  ◆理想篇
  ◆現実篇
  ◆男親の立場から
 2 女の語る「男」論
  ◆理想篇
  ◆現実篇
 3 女の語る「女」論
  ◆女ばかり

第7章 自然が人を生かす
 1 自然が自己を立ち上げる
  ◆雪の風景
  ◆夜な夜なの寝覚め
 2 風景とシンクロする心
  ◆悪天候が解き放つ心
  ◆見る人と風景
  ◆里という粗野
   ▼ノート⑧美意識と生活世界
  あとがき


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