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研究書(語学系) 詳細
明石日常生活語辞典
―俚言と共通語の橋渡し―
書名かな | あかしにちじょうせいかつごじてん ―りげんときょうつうごのはしわたし― |
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著者(編者)名 | 橘 幸男 著 |
著者(編者)名かな | たちばな ゆきお |
ISBNコード | 978-4-8386-0722-8 |
本体価格 | 20,000円 |
税込価格 | 22,000円 |
判型 | B5判上製カバー装 |
頁数 | 834頁 |
刊行日 | 2019年9月1日 |
在庫 | 有り ※10冊以上購入ご希望の場合には別途ご連絡下さい |
刊行のことば 橘 幸男
私は50年以上にわたって兵庫県明石市の言葉を見つめ続けてきた。この50年という期間に限っても、明石で使われている語彙(単語)はもちろん、語法(文法)、音韻(発音)、アクセントにも様々な変化が見られる。
本書『明石日常生活語辞典』で記録するのは、祖父母の世代、父母の世代、自分たちの世代という三世代が使っていた言葉、あるいは、使っている言葉である。それを子や孫の世代に伝えたいという強い思いから、本書を編んだ。
本書は、明石の日常生活で使われている言葉、および最近まで使われていた言葉についての記録であるが、兵庫県内はもちろん、関西一円の方言とも共通点を持つ内容となっている。
日常生活において、私たちは方言を使って話したり聞いたりしているが、明石の地域だけで使う言葉(俚言)の他に、関西で広く使っている言葉や、全国共通語も併せて使っている。
したがって、俚言と共通語を併せた辞典を作ることが、その土地の言語生活の有り様を如実に表すことになると考えた。
副題を〝俚言と共通語の橋渡し〟とするのはそのような理由による。俚言と共通語の区別を設けずに記録し、よく似た意味を持つ言葉は互いに参照できるようにして、俚言と共通語の関係が明らかになるようにした。
本書は、同義語辞典や類義語辞典の性格も兼ね備えているのである。
方言研究は話し言葉を対象とする。本書では、話し言葉の要素が強いとして国語辞典などに採録されていない言葉も積極的に取り入れ、擬音語・擬態語などや、発音の変化した(訛った)言葉も多く記録している。本書の見出し数は15463項目である。
本書は、現在の言語研究に資することはもちろんであるが、50年後、100年後にも、「明石の言葉の辞典」として、方言に関心を持つ方々の研究に寄与できればありがたいと思っている。
本書は少部数の限定出版である。
個人で購入していただくことは嬉しいが、各地の図書館の蔵書としてもぜひ備えていただきたいと願っている。方言に関心をお持ちの方には、地域の図書館に購入を働きかけて、その蔵書をご覧いただくことを期待している。
目次
はじめに
凡例
辞典(あ~ん)
文法と活用表
わが郷土
筆者紹介
おわりに
本書の特色
●明石で使っている言葉について、俚言、関西共通語、
全国共通語の区別なくすべてを集めた。
●著者の祖父母の世代、父母の世代、自分たちの世代の
三世代が使っていた言葉や、使っている言葉を集めた。
●話し言葉の要素が強いとして国語辞典で採り上げてい
ない言葉、発音の変化した(訛った)言葉を多く取り
上げる。
●この辞典の骨子は、言葉の意味の記述、その言葉を使
った用例の提示、用例の文法的分析にある。意味は、
言葉の置き換えに終わらず詳細に説明。
●すべての言葉に用例を付す。用例は文の形であらわす。
●著者は生まれてから現在にまで同じところに住み、明
石の言葉の調査者(研究者)の立場とともに、被調査
者(話者)の立場でもある。実際の生活から採集した
用例と内省に基づいて作成した用例も加える。
●用例は文節に分けるとともに、さらに単語に分けて記
す。
●この辞典では俚言と共通語の区別はなく、言葉と言葉
を参照することを随所で行う。