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研究書(語学系) 詳細
鷺流狂言詞章保教本を起点とした 狂言詞章の日本語学的研究
書名かな | さぎりゅうきょうげんししょうやすのりぼんをきてんとしたきょうげんししょうのにほんごがくてきけんきゅう |
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著者(編者)名 | 米田達郎 著 |
著者(編者)名かな | よねだ たつろう |
ISBNコード | 978-4-8386-0733-4 |
本体価格 | 8,500円 |
税込価格 | 9,350円 |
判型 | A5判上製カバー装 |
頁数 | 308頁 |
刊行日 | 2020年9月24日 |
在庫 | 有り |
狂言詞章を日本語史の中でどう位置づけるか
保教本は現在のところ、鷺流においてまとまった分量のある最古の狂言詞章である。本書では保教本を中心に、それがどのような言語的な特徴をもった狂言詞章であるのか、また18世紀以降の狂言詞章の言語がどのような様相を呈しているのかということを中心に多角的な考察を加える。これらは単に狂言詞章研究のみならず、18世紀以降の狂言詞章の言語を日本語史の中でどのように位置づけるかということにつながり、日本語史研究の幅を広げる意味でも重要なことと思われる。
はじめに
第一章 対称詞から見た狂言詞章の変遷
─鷺傳右衛門派の場合─
一 はじめに
二 先行研究概観
三 対称詞から見た鷺傳右衛門派の変遷
四 変遷の様相
五 まとめ
第二章 日本語史資料としての江戸時代中後期狂言詞章
─鷺流狂言保教本を起点として─
一 はじめに
二 ①当代型に属する語─接続詞デモを中心に─
三 ②古語型・③新古語型に属する語
─オリヤル・オリヤラシマスを中心に─
─オリヤル・オリヤラシマスを中心に─
四 まとめ
第三章 鷺流狂言詞章保教本の対称詞について
─オマエを中心に─
一 はじめに
二 問題の所在
三 保教本におけるオマエの待遇価値
四 他流派の狂言詞章との比較
五 保教本成立当時における口頭語資料で使用されるオマエ
六 保教本の筆写態度
七 まとめ
第四章 江戸時代の狂言台本詞章における一人称詞オレについて
─保教本を中心に─
一 はじめに
二 問題の所在
三 狂言詞章におけるオレ
四 狂言詞章でのオレが減少した背景
五 まとめ
第五章 江戸時代中後期狂言詞章の丁寧表現について
─マシテ御座ルを中心に─
一 はじめに
二 狂言詞章の丁寧表現概観─問題の所在─
三 保教本でのマシテ御座ルについて
四 マシテ御座ル多用の背景
五 保教本以降の狂言詞章におけるマシテ御座ル
六 まとめ
第六章 保教本に使用される(ウ)ズルについて
─②古語型として使用される語について─
一 はじめに
二 先行研究の検討
三 虎明本における(ウ)ズルの使用者
四 保教本における(ウ)ズル
五 保教本以降の鷺流狂言における(ウ)ズル
六 口頭語資料における(ウ)ズルについて
七 まとめ
第七章 江戸時代中後期狂言詞章に見られる終助詞ワイノについて
─鷺流狂言保教本を中心に─
一 問題の所在
二 保教本におけるワイノについて
三 保教本以外の狂言詞章におけるワイノ
四 江戸時代口頭語資料におけるワイノについて
五 再び保教本へ
六 まとめ
第八章 江戸時代中後期狂言詞章の終助詞トモについて
─鷺流狂言保教本を中心に─
一 問題の所在
二 先行研究でのトモについて
三 保教本におけるトモについて
四 保教本にトモが使われた背景について
五 まとめ
第九章 江戸時代中後期狂言詞章における終助詞ナアについて
─鷺流狂言保教本を中心に─
一 問題の所在
二 保教本における終助詞ナアとナについて
三 保教本以前に成立した狂言詞章における終助詞ナアについて
四 保教本以降に成立した狂言詞章における終助詞ナアについて
五 保教本に使用されている背景について
六 まとめ
第一〇章 鷺流狂言詞章に使用される応答表現「デ御座ル」について
─保教本を中心に─
一 はじめに
二 先行研究の検討及び問題の所在
三 鷺流に使用される応答表現としてのデ御座ル
四 応答表現としてのシヤア
五 デ御座ルの使用された背景について
六 まとめ
付章 大蔵流狂言虎明本における(サ)シメから見た要求・依頼表現
─保教本における要求・依頼表現との比較を見据えて─
一 問題の所在
二 先行研究等における(サ)シメ
三 虎明本における(サ)シメの待遇価値・用法について
四 虎明本における要求・依頼の表現について
五 保教本の要求・依頼の表現について
六 まとめ
初出一覧
あとがき
索引