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注釈書・単行本など 詳細
日清戦争以前の日本語・中国語会話集
書名かな | にっしんせんそういぜんのにほんご・ちゅうごくごかいわしゅう |
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著者(編者)名 | 園田博文 著 |
著者(編者)名かな | そのだひろふみ |
ISBNコード | 978-4-8386-0735-8 |
本体価格 | 1,200円 |
税込価格 | 1,320円 |
判型 | A5判並製カバー装 |
頁数 | 148頁 |
刊行日 | 2020年10月5日 |
在庫 | 有り |
本書は、日清戦争以前の日本語・中国語会話集についての研究書です。日本語・中国語会話集とは、日本語とそのもとになった中国語とを対照させた会話集のことです。本文では、中国語会話書と呼びます。訳述された日本語を見ると、興味深い語や語法に気づきます。日常使われる口語で訳したとの訳述方針が示されていたり、中国語母語話者が日本語学習のために使ったという述懐がなされたりもしています。
まずは、第1部で資料について詳細に分析します。その上で、第2部では、人称代名詞について見ていきます。第3部では、戦前まで規範的ではないとされた「新シイデス」「丸イデス」のような用例が見られる点に触れます。時代を先取りしたとも言える例です。第4部では九州方言的要素の検討を行います。
目 次
まえがき
凡例
序章
序章
第1部 日本語の資料として
第1章 『問答篇』『語言自邇集』をもとにした
『総訳亜細亜言語集』『参訂漢語問答篇国字解』の日本語
1 はじめに
2 使用資料と著者・訳述者について
2.1 『問答篇』『語言自邇集』とトーマス・ウェード
2.2 『総訳亜細亜言語集』と広部精
2.3 『参訂漢語問答篇国字解』と福島九成
3 資料の成立に関する先行研究
4 中国語原文改変の実態と日本語訳文の性格について
5 まとめと今後の課題
第2部 人称代名詞の有無と用法
第2章 明治前期から昭和前期までの中国語会話書9種における
一・二人称代名詞の直訳度
1 はじめに
2 調査資料
第1章 『問答篇』『語言自邇集』をもとにした
『総訳亜細亜言語集』『参訂漢語問答篇国字解』の日本語
1 はじめに
2 使用資料と著者・訳述者について
2.1 『問答篇』『語言自邇集』とトーマス・ウェード
2.2 『総訳亜細亜言語集』と広部精
2.3 『参訂漢語問答篇国字解』と福島九成
3 資料の成立に関する先行研究
4 中国語原文改変の実態と日本語訳文の性格について
5 まとめと今後の課題
第2部 人称代名詞の有無と用法
第2章 明治前期から昭和前期までの中国語会話書9種における
一・二人称代名詞の直訳度
1 はじめに
2 調査資料
3 人称代名詞の直訳度
3.1 調査方法
3.2 中国語会話書9種における人称代名詞の直訳度
3.3 洋学資料および小説(会話文)の直訳度との比較
3.4 広部精の中国語会話書における篇別の直訳度
3.5 宮島大八の中国語会話書における篇別の直訳度
4 まとめと今後の課題
第3章 『総訳亜細亜言語集』における一・二人称代名詞
1 はじめに
2 『総訳亜細亜言語集』について
3 一・二人称代名詞について
3.1 一人称代名詞Ⅰ
3.2 一人称代名詞Ⅱ
3.3 二人称代名詞Ⅰ
3.4 二人称代名詞Ⅱ
4 まとめと今後の課題
第4章 『官話指南総訳』『東語士商叢談便覧』における
一・二人称代名詞
1 はじめに
2 『官話指南総訳』の一・二人称代名詞
3 『東語士商叢談便覧』の一・二人称代名詞
4 まとめと今後の課題
第3部 今につながる「です」のめばえ
第5章 『亜細亜言語集』『総訳亜細亜言語集』の文末における
待遇表現
1 はじめに
2 中国語会話書について
3 『亜細亜言語集』『総訳亜細亜言語集』の訳述方針
3.1 成立
3.2 訳述の方針と傾向
4 文末表現から見た日本語の性格
4.1 「六字話」と「問答編」
4.2 文末における待遇表現の特徴
4.3 明治初期の「です」との関わり
5 まとめと今後の課題
第6章 明治前期中国語会話書9種における
助動詞「です」の用法について
1 はじめに
2 明治初期の会話書と助動詞「です」
3 中国語会話書における助動詞「です」
3.1 「活用形」別全用例数について
3.2 上接語について
3.3 下接語について
4 まとめと今後の課題
第4部 方言的要素の検討
第7章 『総訳亜細亜言語集』『参訂漢語問答篇国字解』
『語学独案内』『沖縄対話』における「に」と「へ」
1 はじめに
2 4資料の比較による分析
2.1 用例採集に当たって
2.2 概観
2.3 「へ」「に」共用動詞52語の分析─資料による分類
2.4 「へ」「に」共用動詞52語の分析─「使い分け」の要因
3 まとめと今後の課題
第8章 『参訂漢語問答篇国字解』と九州方言語彙
1 はじめに
2 訳語の性格について
2.1 九州方言として特徴的な語
2.2 九州方言であるとともに他の地域にも見られる語
2.3 辞書に記載のない語
2.4 その他の方言
3 まとめと今後の課題
第9章 『参訂漢語問答篇国字解』における会話文中の語の解釈
1 『参訂漢語問答篇国字解』に現れる九州方言について
2 会話文中における語の解釈
2.1 ツカミホガス【抓】/ネブリホガス【舔破】
2.2 ズルイ【疲・嬾惰】/ズルケル【疲】
2.3 メタタク(メタタクウチニ【一睫眼】【一転眼】)
/メバタキ
(メバタキモセズ【眼巴巴児】)/メブタ【眼皮】
2.4 ハシカイ【直/クチハジカイ【嘴直】
2.5 チャチャクチャニスル【蹧蹋】
2.6 フトル【到大】/フトイ【大】【長大】
【(高)大/ハラガフトイ【飽】・ハラノヒク【餓】
2.7 ボシ【帽子】
2.8 マッキャ(【紅】、カオヲマッキャニナス【翻臉】)
3 まとめと今後の課題
終章
中国語会話書一覧
1 中国語会話書一覧の示し方について
2 日本語の会話文が現れている中国語会話書一覧
3 本文が中国語文のみの中国語会話書一覧
4 (参考)江戸時代の唐話に基づくもの
参考文献
あとがき
索引