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研究書(文学系) 詳細
危機下の中古文学2020
書名かな | ききかのちゅうこぶんがく2020 |
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著者(編者)名 | 久保朝孝 編 発起人:神田龍身/福家俊幸/外山敦子 |
著者(編者)名かな | くぼともたか ほっきにん:かんだたつみ/ふくやとしゆき/とやまあつこ |
ISBNコード | 978-4-8386-0744-0 |
本体価格 | 11,000円 |
税込価格 | 12,100円 |
判型 | A5判上製カバー装 |
頁数 | 648頁 |
刊行日 | 2021年3月5日 |
在庫 | 品切れ中 |
2020年は、気候変動による甚大な自然災害の多発、新型悪性感染症の世界的蔓延、新自由主義経済が招来する貧富差の拡大、国家・民族・人種間の分断、民主主義の脆弱さの露呈、そして核兵器を中心とする軍事力拡大競争など、人類の生存に関わる自然と人為的な脅威が多発した年、危機下の一年として、いずれ回想されることになろう。
まえがき…久保朝孝
河内本源氏物語の校訂方法
─若紫巻を中心として(上)─…浅尾広良
散佚物語「あまのもしほび」について
─物語と戦乱─…浅田 徹
『源氏物語』研究の遠近法
─コロナ禍を契機に考える─…安藤 徹
「契り」と「宿世」
─『夜の寝覚』論に向けて─…乾 澄子
異界と現実を橋渡す古代物語を読む
─二〇二〇年の試みから…井上眞弓
紅葉賀の行幸
─平成の『源氏物語』研究の源流をさぐる─…今井 上
『狭衣物語』異本系本文の世界
─「親子の情」に見る改変の論理…今井久代
古典教育から考える、見えない「疫病史」
─『枕草子』における授業実践から─…勝亦志織
『枕草子』の〈菖蒲・あやめ草〉
─「アンチエイジング」の言葉─…亀田夕佳
オンライン時代の学会運営とICT活用
─中古文学会のオンラインシンポジウムを企画して─…河添房江
『源氏物語』の終り方
─浮舟=落下したかぐや姫…神田龍身
『紫式部日記』の成立
─読み手の想定を手がかりに─(補遺)…久保朝孝
早稲田大学図書館蔵富士谷成孚書入れ本『源氏物語』について
─書入れに見える父・成章の影響と成孚独自
の源氏学の進取性─…栗山元子
危機下の「文」の機能とその力
─空海の場合…河野 貴美子
『土佐日記』誤写考
─〝貫之自筆本〟本文を疑う─…後藤康文
中古文学と学習指導要領の改定
─二〇一九年度中古文学会秋季大会シンポジウムを振り返る─…小森 潔
「女」の時間の『とはずがたり』
─分裂をつなぐ主人公二条─…斎藤 菜穂子
『栄花物語』〈世の中騒がし〉小考
─疫病の流行をめぐる表現として─…桜井宏徳
『堤中納言物語』「虫めづる姫君」の主人公と女房たち
─異質さとのかかわり方─…陣野英則
今上帝はなぜ、いつまでも譲位しないのか?
:〈朱雀王統〉と薫・その二…助川 幸逸郎
『紫式部日記』の歌の場面を読む
─歌の背景に思いを寄せて─…鈴木裕子
『古今和歌集』の羇旅歌について
─旅の歌の創造─…鈴木宏子
蜻蛉日記における外出と自然賞美
─付、「紅葉狩」考─…高木和子
『大鏡』天変地異に見る歴史認識
─怨霊と疫病─…高橋麻織
扇をさし隠す夕霧
─『源氏物語』「夕霧」巻における夕霧の
小野再訪をめぐって─…竹内正彦
歌舞伎から『源氏物語』を考える
─長編性と短編性─…田坂憲二
『源氏物語』若菜巻の〈ぬるし〉と六条院
─迫りくる危機を警告する〈装置〉として─…外山敦子
関屋巻の音風景
─「音泣く」空蟬の変容と逢坂の関─…内藤英子
『枕草子』「小白河結縁八講」章段攷
─散文化した〈歌ことば〉の機能─…中田幸司
読みの「ゆらぎ」と古典化の力学
─『狭衣物語』による『源氏物語』
若紫巻の再構成をめぐって─…中西智子
このような時代に、文学を読み、学び、研究すること、
あるいは文化と関わること
─COVID-19 を映し鏡として─…新美哲彦
『紫式部日記絵巻』に描かれた装束についての検証
─装束描写の文字化と冬の冠直衣姿─…畠山 大二郎
かぐや姫の帰郷の論理・話型で読む『竹取物語』
─「どのように」語られているのか・
〈語り〉と〈言説〉の再検討─…東原伸明
平安私家集の古写断簡
─存続と資料価値の付加─…日比野 浩信
丸山眞男「忠誠と反逆」に導かれて、
日本版「リベラル」の可能性を古典テクストのうちに探る
─二〇二〇年度後期「文学」講義シラバス─…深沢 徹
『和泉式部日記』とゴシップ
─宮は軽率なのか─…福家俊幸
「聖徳太子の家」考
─『平中物語』三六段の謎解き─…本田恵美
『土佐日記』の海賊
─姿を現さない危機─…松岡智之
『源氏物語』柏木の結婚について
─父太政大臣の野心─…松本美耶
『堤中納言物語』「花桜折る少将」末尾の解釈
─「中将の乳母」は本当に姫君の乳母なのか?…山田利博
室生犀星の王朝小説〈虫姫物語〉
―「虫の章」「何処の野に」「虫姫日記」から─…横溝 博
『山路の露』小考
─『源氏物語』の「最終巻」として─…吉井 美弥子
あとがき…発起人・神田龍身/福家俊幸/外山敦子
執筆者紹介