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林田 3

林田孝和著作集 第三巻 源氏物語の創意

書名かな はやしだたかかずちょさくしゅう だいさんかん げんじものがたりのそうい
著者(編者)名 林田孝和 著
著者(編者)名かな はやしだたかかず
ISBNコード 978-4-8386-0752-5
本体価格 5,700円
税込価格 6,270円
判型 A5判上製函入
頁数 360頁
刊行日 2021年5月15日
在庫 有り

 【目次】

     凡例

  序 章  源氏物語の発想・精神史から創意へ
       ―秘められた文学性―

 第一編 源氏物語の人生儀礼  

  第一章 光源氏の誕生―糞尿譚の意味するもの―

     はじめに

    一 始祖本縁譚としての「桐壺」の巻

    二 「あやしきわざをしつゝ」の実態

    三 厠と人生儀礼

    四 〈神の子〉誕生の物語

     むすび

  第二章 夕霧の誕生―源氏物語にみえる生と死―

     はじめに

    一 人生儀礼と通過儀礼

    二 源氏物語の出産と夕霧の誕生の場面

    三 紫式部、清少納言の「物の怪」観

    四 白の異空間―産所―

    五 座産と餓鬼

     むすび

  第三章 女三の宮の結婚―鶏の声を起点に―

     はじめに

    一 源氏物語の鶏描写の場面とその用語例

    二 鶏鳴・暁の別れから歌ことばへ

    三 昼間の恋、鶏の声など聞こえぬ恋

    四 夜深き鶏の声

    五 紫の上の物の怪体質―むすびにかえて―

  第四章 紫の上 晩年―その「物の怪」体質の醸すもの―

     はじめに―紫の上の登場―

    一 女君たちの晩年とは

    二 苦悩を生きる支えとする紫の上

    三 紫の上の「物の怪」体質

     むすび 

  第五章  国歌「君が代」―「若菜」の巻前史―

     はじめに

    一 賀歌・算賀

    二 賀歌の部立と「わが君は」の意味

    三 国歌「君が代」

    四 算賀の贈り物


 第二編 源氏物語の名前・書名

  第一章 登場人物たちの名前

          はじめに

    一 源氏物語は「帖」と算えるか「巻」と算えるか

    二 登場人物たちの総数とその名前

    三 名前の信仰

    四 源氏物語の受容・享受と諸外国での評価

     むすび―源氏物語の魅力―

  第二章 源氏物語にみる「名告り」の精神史

     はじめに

    一 名前の信仰

    二 「名告り」の用語例から

    三 名がくしの恋―夕顔物語―

    四 名告り出る主人公たち

    五 近江の君の造型

    六 物の怪たちの争闘

     むすび  

   第三章 源氏物語の書名 ノート

     一 書名の種類

    二 多くの源氏物語と「源氏」の意味

    三 源氏物語の生成の経緯

    四 紫式部の作家・編集者としての稟質

    五 臣籍降下(嫁)の理由

 第三編 源氏物語の和歌と人物造型

  第一章 源氏物語の和歌

    一 末摘花物語の場合

    二 源典侍物語の場合

    三 贈答歌の常軌

    第二章 玉鬘求婚譚の造型 

    一 夕顔から玉鬘へ

    二 異常・奇怪な恋物語

    三 歌垣的世界

 第四編 源氏物語の表現

   第一章 源氏物語の香り

     一 光源氏と朧月夜の君との恋の再燃

     二 空蟬物語の香り

     三 髪・衣・五体・心に染みつく香り

     四 匂宮、薫を装い浮舟の寝所に入り契る

     五 薫、特有の香り

        むすび

   第二章 文学発生の場―「庭」をめぐって―

     はじめに

    一 仮構の庭と作歌

    二 シマ歌

    三 庭の本義から州浜歌へ

     むすび

   第三章 源氏物語の夜―恋の時空―

    一 「夜」の意味

    二 昼間の恋

    三 恋の時間帯

    四 暁の別れ、一日の始まり

    五 霊的時空

  第五編 源氏物語小論

     第一篇 濡れ衣

     第二篇 空蟬の薄衣

      第三篇 近江の君

     第四篇 源氏物語の話型

  あとがき


王朝びとの人生儀礼 補遺

  第一章 白の異空間―誕生儀礼―   

    一 後深草院二条の出産    

    二 出産の場と物怪の跳梁    

    三 諸刃の異空間―産所―  

  第二章 恋の語源―恋及び結婚 一 ―   

    一 「もののあはれ」の源泉    

    二 柳田国男の「手乞ひ」説

    三 折口信夫の「魂乞ひ」説

    四 魂の交歓

  第三章  恋物語の発端―恋及び結婚 二 ―

    一 垣間見による始発            

    二 目の呪能                    

    三 「婚ひ」から「見合い結婚」へ    

    四 王朝絵画の女主人公たち      

  第四章  プロポーズの方法―恋及び結婚 三 ―   

    一 求婚のプロセス        

    二 贈答歌・求婚の常規    

    三 女からの求婚     

    四 消息の料紙と折り枝    

    五 結び文・折り枝の始原    

  第五章 至難な恋の成就―恋及び結婚 四 ―   

    一 工夫を凝らしたラブレター    

    二 門前に立つ千束の棒・錦木    

    三 婚姻習俗と沓            

  第六章  嫁を盗む物語―恋及び結婚 五 ― 

    一 嫁盗み譚の結末                

    二 嫁盗み譚にまつわる悲劇の起因    

    三 中世神話への展開              

  第七章  結婚の時空 ―恋及び結婚 六 ―

    一 赤鼻の女・末摘花の結婚    

    二 後朝の別れ              

    三 沓取りの儀              

    四 月夜の恋、雨夜の恋      

  第八章  恋の時空 ―恋及び結婚 七 ―

    一 昼間の恋    

    二 恋の時間帯    

    三 霊的時空    

  第九章  妻たちの生活規範―恋及び結婚 八 ―

    一 妻妾同居の理想生活              

    二 床離れ、床去りとその年齢        

    三 離別への道―後妻打ち・騒動打ち―  

  第十章 長寿を祝う文学―賀歌・算賀をめぐって―

    一 死の忌みことば    

    二 賀歌・算賀・君が代    

    三 算賀の贈り物      

  第十一章 息災・延命の文芸の譜
        ―長寿を祝う文学 二 ―

    一 算賀・若菜の文芸的展開    

    二 子の日の遊び            

    三 七種の節供・七草粥      

    四 なぜ若菜か、竹の杖か    


  解説  春日美穂


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