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研究書(文学系) 詳細

9784838607631

うつほ物語

―国譲巻の世界
書名かな うつほものがたり―くにゆずりまきのせかい
著者(編者)名 伊藤禎子 編著
著者(編者)名かな いとうていこ
ISBNコード 978-4-8386-0763-1
本体価格 8,000円
税込価格 8,800円
判型 A5判並製カバー装
頁数 298頁
刊行日 2021年11月24日
在庫 有り
 『うつほ物語』「国譲」巻「らしさ」とは何か?
 前半「本文鑑賞編」で、『うつほ物語』「国譲」巻を読むために読んでおきたい場面を紹介。場面の選定は「国譲」巻への繋がりを意識して、それぞれの場面には簡単なリード文を附し、読みやすくなるような現代語訳をつけた。また、各文の最後には『うつほ物語』読解のポイントを「鑑賞・説明」としてまとめたので、それぞれの場面を読む際の参考となろう。後半「論文編」では編著者をはじめ、ともに学んだ若手研究者の論文計七編を収録、日頃の研鑚の成果を公刊する。

【目次】
序『国譲』巻とは

本文鑑賞編

1、「俊蔭」 ①太政大臣(藤原氏)の賀茂詣で

2、「俊蔭」 ②兄弟の契り

3、「藤原の君」 ①源正頼の登場

4、「藤原の君」 ②あて宮求婚譚の始まり

5、「忠こそ」 橘家の帯、一条北の方の策略

6、「春日詣」 藤原の君(源正頼)と忠こその邂逅

7、「嵯峨の院」 兄の秘密の恋の相談

8、「祭の使」 ①兄・季明から弟・正頼へのお願い

9、「祭の使」 ②仲忠、女君たちの演奏を聞く(1)

10、「吹上・上」 源涼の育つ吹上の地へ、訪問計画

11、「吹上・下」 朱雀帝の宣旨、
          「仲忠に女一の宮を与える」

12、「菊の宴」 ①実忠、あて宮への妄執

13、「菊の宴」 ②実忠、北の方と自覚なき邂逅

14、「あて宮」 ①あて宮の入内、実忠・仲澄の絶望

15、「あて宮」 ②仲澄、死す

16、「内侍のかみ」 朱雀帝の戯れ

17、「沖つ白波」 仲忠と涼、十五夜の合奏

18、「蔵開・上」 后の宮と仁寿殿の不仲

19、「蔵開・中」 ①仲忠の講読と后の宮

20、「蔵開・中」 ②梨壺懐妊の報

21、「蔵開・下」 大納言忠俊、妻との仲違い

22、「国譲・上」 ①立坊争いへの幕開け

23、「国譲・上」 ②太政大臣・季明の心残り

24、「国譲・上」 ③実忠の「心長さ」

25、「国譲・上」 ④近澄、女二の宮を想う

26、「国譲・上」 ⑤正頼、藤原兼雅・仲忠親子を恐れる

27、「国譲・上」 ⑥仲忠、女君たちの演奏を聴く(2)

28、「国譲・上」 ⑦藤壺、東宮の近辺を聞き出す

29、「国譲・上」 ⑧正頼、「中納言には実忠を」

30、「国譲・中」 ①大臣大饗、「昔」を懐古

31、「国譲・中」 ②正頼、産後のお世話

32、「国譲・中」 ③女一の宮、懐妊

33、「国譲・中」 ④仲忠、忠こそに石帯を見せる

34、「国譲・中」 ⑤桂邸での憩いの時間

35、「国譲・中」 ⑥仲忠ら、蹴鞠をする

36、「国譲・中」 ⑦実忠、北の方と対面

37、「国譲・下」 ①后の宮、動く

38、「国譲・下」 ②「左大臣、仲忠の朝臣と
            なむまつりごつべき」

39、「国譲・下」 ③新帝、女御の順を決める

40、「国譲・下」 ④太政大臣忠雅、妻との仲違い

41、「国譲・下」 ⑤移りやすき人の心

42、「国譲・下」 ⑥新帝、宣旨を渡す

43、「国譲・下」 ⑦在原忠保、復帰

44、「国譲・下」 ⑧女一の宮、出産

45、「国譲・下」 ⑨嵯峨院大后の宮の恨み

46、「楼の上・上」 仲忠と宰相の上の出逢い

47、「楼の上・下」 京極殿の過去



論文編

 (1)「国譲」巻論、過去と記憶の再生産   伊藤禎子

 (2)「国譲」巻における「うつほ」
     ―閉じられた空間と、動き出す過去  毛利香奈子

 (3)「祭の使」巻と「国譲・上」巻の重なりについて
     ―長編化への構造的変遷の方法    鈴木まみ

 (4)立坊争いと夫婦関係
     ―忠雅夫妻の挿話における二層構造の「語り」
                       増田高士

 (5)后の宮、「悪女」という造形の偽装   新里千佳

 (6)源実忠、〈生〉と〈死〉の漂流     田嶋知子

 (7)源実正の存在意義           高橋 悠

 (8)女二の宮を覗く仲忠
     ―立坊争いと求婚騷ぎのはざまで   小野寺拓也

あとがき

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