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享受される海洋文化
―伝説・楽園・異界―
書名かな | きょうじゅされるかいようぶんか―でんせつ・らくえん・いかい― |
---|---|
著者(編者)名 | 畑 恵里子 編 |
著者(編者)名かな | はたえりこ |
ISBNコード | 978-4-8386-1003-7 |
本体価格 | 1,500円 |
税込価格 | 1,650円 |
判型 | A5判並製カバー装 |
頁数 | 184頁 |
刊行日 | 2023年1月31日 |
在庫 | 有り |
まもるべき海の異界の、宮殿
「三つの課題が眼前にあった。
一つ目は、浦島伝説の研究の現状と市井の人々の享受と乖離
である。(中略)二つ目は、現在の浦島伝説の享受の実態把
握である。(中略)そして、市井の人々が気軽に参画が可能
で、かつ、ある程度の専門性を有する学術的企画はできない
ものか。これが三つ目の課題である。」
(「あとがき」より)
序文にかえて 畑 恵里子
第一部 パネルディスカッション
「海洋文化としての伝説・楽園・異界」
「海洋文化としての伝説・楽園・異界」
Legends, Paradise, and the Other World,
As Maritime Cultures
As Maritime Cultures
一 趣意文 / 畑 恵里子
二 基調報告 一
丹後の海と浦島のいま
Tango Sea and Urashima Today/小山 元孝
京丹後市の概要/丹後の海の姿
─泡にまみれた道路(京都府京丹後市丹後町)
・砂にまみれた道路(京都府京丹後市網野町)
・鮮魚店店頭(京都府京丹後市網野町)
・広通寺薬師如来坐像(京都府京丹後市網野町)
・福島神社(京都府京丹後市久美浜町)
・上山寺(京都府京丹後市丹後町)
・竹野神社(京都府京丹後市丹後町)─
浦島のいま
─釣溜(京都府京丹後市網野町)
・福島(京都府京丹後市網野町)
・浦島児宅伝承地(京都府京丹後市網野町)
・浦島太郎出生地(京都府京丹後市網野町)
・水無月祭(京都府京丹後市網野町)
・しわ榎(京都府京丹後市網野町)─
三 基調報告 二
海の女性がもたらす力
─記紀神話と『源氏物語』における皇族と海族の結婚
─記紀神話と『源氏物語』における皇族と海族の結婚
Power of the Sea Goddesses: How the Mytho-
histories of Japan and the Tale of Genji Represent
the Intermarriages of the Royal Men and the Women
of the Undersea Kingdom/シュミット 堀 佐知
histories of Japan and the Tale of Genji Represent
the Intermarriages of the Royal Men and the Women
of the Undersea Kingdom/シュミット 堀 佐知
はじめに
貴種流離譚とは
異界としての海
山幸彦伝説
『源氏物語』
玉依姫と紫の上について
四 基調報告 三
ポーランドの琥珀
Amber in Poland / 園山 千里
Jurassic Park ジェラシックパークの琥珀
(こはく・Amber)から
─琥珀の定義・バルト海沿岸の琥珀・ポーランドの琥珀
に関する話『バルト海の女王』─
に関する話『バルト海の女王』─
琥珀が登場する小説
─辻村深月『琥珀の夏』より・大庭みな子「炎える琥
珀」より・ギリシャ神話 オウィディウス『変身物
語』巻二から パエトンの姉妹「太陽の娘たち(ヘ
リアデス)」・Tajemnice bursztynu『秘密の琥珀』
Barbara Kosmowska-Ceranowicz著(一九八九年)─
珀」より・ギリシャ神話 オウィディウス『変身物
語』巻二から パエトンの姉妹「太陽の娘たち(ヘ
リアデス)」・Tajemnice bursztynu『秘密の琥珀』
Barbara Kosmowska-Ceranowicz著(一九八九年)─
海を舞台とする神話・伝説からみえてくる琥珀の表象
五 フロアからの質疑応答
丹後の海の波の花
浦嶋神社の絵解き
日本の琥珀に関する伝説の稀薄性
話型の再生産
六 アフタートーク 小山 元孝
シュミット 堀 佐知
園山 千里
畑 恵里子
基調報告での意図・戦略
現在も生きている丹後の浦島伝説
異界しての海と海幸・山幸伝説
守るべきものとしての海の宮殿
仏典の想像上の宝物としての琥珀
海と性差
海中の宮殿へ連れてゆく話型と連れてこない話型
丹後に点在する浦島史跡
丹後の皺榎の伝承
皺榎の背景
丹後で発生したあらたな浦島伝説
海底の異界と山の異界との対比
おわりに
第二部 論 考
一 しわ榎の源流─浦島子をめぐる信仰史の一断面─
The Origin of the Shiwa Enoki:A History of the Belief in
Urashimako/小山 元孝
Urashimako/小山 元孝
一 はじめに
二 もう一つのしわ榎
三 浦島明神と霊木
四 二つの「しわ榎」の関係
五 おわりに~しわ榎のいま~
二 海の女神・巫女・「めのと」
─タメヨリビメの流動的な性について
─タメヨリビメの流動的な性について
The Sea Goddess, Shamaness, Erotic Mother:
Princess Tamayori and Her Fluid Sexuality
/シュミット 堀 佐知
Princess Tamayori and Her Fluid Sexuality
/シュミット 堀 佐知
一 はじめに
二 海幸山幸伝説と海神の女たち
三 山幸彦・トヨタマビメ・タマヨリビメの関係
四 性愛・生殖・政治のあわい
五 「めのと」としてのタマヨリビメの性
六 おわりに
三 海と森とをつなぐ琥珀の輝き
The Shine of Amber connecting the sea to the forest
/園山 千里
/園山 千里
一 はじめに~バルト海の琥珀から~
二 漁師を愛した女王ユラタの悲劇
三 よみがえる樹の雫
四 琥珀となった姉妹の涙
五 流れ落ちる人間の涙
六 おわりに
四 アンケートから見る浦島伝説の享受の一様相
An aspect of the enjoyment of Urashima Legend of
seen from the questionnaire/畑 恵里子
一 はじめに
二 アンケートの目的と項目
三 一般の人々にとって昔話や伝説にあたる作品
四 昔話や伝説の享受の経路
五 浦島伝説の認知度・人気度・縁起度
六 浦島伝説・『桃太郎』・『竹取物語』
七 おわりに
あとがき/畑 恵里子
執筆者紹介