書籍案内

ホーム > 書籍案内 > 研究書(文学系) > 伊勢物語と四季

研究書(文学系) 詳細

9784838607730

立ち読みする

伊勢物語と四季

書名かな いせものがたりとしき
著者(編者)名 後藤幸良 著
著者(編者)名かな ごとうゆきよし
ISBNコード 978-4-8386-0773-0
本体価格 9,000円
税込価格 9,900円
判型 A5判上製カバー装
頁数 286頁
刊行日 2023年2月7日
在庫 有り
四季の扉の向こうに広がる、伊勢物語の新たな相貌

 平安時代、竹取物語から源氏物語・狭衣物語へと続く物語史において、四季は飛躍的に重要性を増していった。その中間部の伊勢物語では、四季はどのような意義を発揮しているのか。
 伊勢物語は、古今集に代表される四季観を踏まえつつも、それを特有な形で継承することによって、四季の物語を成り立たせている。和歌集・漢詩文集などの四季観を要所に導入して個々の四季物語が実現し、そしてそれをテコとして伊勢物語の世界全体が、かけがえなく支えられていく。
 本書ではその様相が、春夏秋冬の各領域において明確に提示されている。

はじめに─『伊勢物語』と四季と
第一章 春の物語(一)物語冒頭部をめぐって
 はじめに
  一 初段に潜在する春
  二 二段の男を支える春
  三 〈春雨〉の表象
  四 「起きもせず」歌の表現性
  五 四段の春と人
  六 物語冒頭部と春

第二章 春の物語(二)物語冒頭部以後
  一 問題の所在
  二 春前半の物語の少なさ
  三 桜の季節
  四 花の美と凋落と
  五 残りの諸段の春

第三章 夏の物語
  はじめに
  一 夏の動揺の物語
  二 他の夏の物語
  三 夏の段以外の動揺の希薄さ
  四 夏の動揺の背景段の構成枠としての季節観

第四章 秋の物語─衰退凋落をめぐって
  はじめに
  一 衰退凋落の季節としての秋
  二 和歌における秋の美の衰退凋落と、秋物語と
  三 秋の「露」の物語
  四 死と無縁な秋の「露」の物語
  五 菊花の美

第五章 冬の物語─雪をめぐって
  一 問題の所在
  二 和歌の冬・漢詩文の冬
  三 『伊勢物語』の冬物語
  四 春の雪から
  五 春の雪の章段の〈希望〉

【各論】
第六章 古代の夏の季節感
     ─和歌集夏部のホトトギス詠を手掛かりに
  はじめに
  一 『万葉集』巻第八・十の夏のホトトギス詠
  二 『万葉集』の鶯・雁との比較
  三 『古今集』の夏
  四 『後撰集』から『拾遺集』へ
  五 苦の夏
  六 古代の夏の季節感

第七章 四十三段の夏の物語
  はじめに
  一 『万葉集』のホトトギス詠と男女
  二 『新撰万葉集』のホトトギスの歌と詩
  三 『古今集』以後のホトトギス詠と男女
  四 四十三段の夏物語

第八章 六十段の二面的男像─朱買臣像の重層的引用
  はじめに
  一 近世以前の把握
  二 近現代の把握
  三 朱買臣像の重層的引用
  四 優美さの裏の悪意─動揺の夏

第九章 『詩経』衞風「氓」と『伊勢物語』九十六段・六段
     ─男の物語の屈折点
  一 問題の所在
  二 衞風「氓」の世界
  三 「氓」と九十六段・六段
  四 「氓」世界の特徴
  五 「氓」の『伊勢物語』的変形と、
     九十六段における男物語の屈折
  六 六段の場合
  七 「氓」受容の広がり─結びに代えて

終章 本書の考察の概要と文学史的展望
    ─四季の時空の男主人公像
  一 本書の考察の概要と結論
  二 『伊勢物語』から『源氏物語』へ
  三 四季の時空の男主人公像

初出一覧
あとがき
索引


一覧に戻る

書籍案内

  • 新刊
  • 近刊
  • 話題の本(おすすめ)
  • 古典影印叢書
  • 研究書(文学系)
  • 研究書(語学系)
  • 注釈書・単行本など
  • 教材

武蔵野書院のX

紫式部学会のブログ

文献日本語学の広場

特定商取引に基づく表記