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研究書(文学系) 詳細

9784838607761

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平安朝文学における語りと書記

―歌物語・うつほ物語・枕草子から―
書名かな へいあんちょうぶんがくにおけるかたりとえくりちゅーる―うたものがたり・うつほものがたり・まくらのそうしから―
著者(編者)名 勝亦志織 著
著者(編者)名かな かつまたしおり
ISBNコード 978-4-8386-0776-1
本体価格 10,000円
税込価格 11,000円
判型 A5判上製カバー装
頁数 276頁
刊行日 2023年3月3日
在庫 有り
十世紀文学における「語り」と「書記」の問題について
本書は、『伊勢物語』『大和物語』『うつほ物語』『枕草子』という十世紀に成立基盤を持つ文学作品を対象としている。理由は二つある。一つは文学史的にはバラバラなジャンルに位置付けられた作品であるがゆえに見過ごされてきた関係性を見直すため。もう一つは日本古典の最高傑作とされる『源氏物語』よりも前に成立した作品の意義を見直すことで『源氏物語』もまた数々の先行作品の蓄積のもとで成立したことを改めて見直したい、ということである。


 


凡 例
 序章 十世紀文学における「語り」と「書記」の
     問題について

第一篇
 第一章 『伊勢物語』における「語り」の問題
  はじめに
  一 初段における「語り」
  二 二条后章段における「語り」
  三 第九段から東国章段における「語り」
  おわりに
 第二章 『大和物語』における〈記録〉の方法
  はじめに
  一 元良親王をめぐる物語
  二 斎宮をめぐる恋
  三 三条右大臣の女御をめぐる恋
  四 記録された「歌語り」
  おわりに
 第三章 『大和物語』における桂の皇女関連章段採録の意図
  はじめに
  一 『大和物語』に登場する皇女
  二 桂の皇女について
  三 柔子内親王と君子内親王の描かれ方について
  おわりに─書き記された桂の皇女─
 第四章 『大和物語』柔子内親王関連章段における
      「省筆」について
  はじめに
  一 柔子内親王について
  二 柔子内親王関連章段について
  三 『大和物語』における省筆
  おわりに

第二篇
 第一章 『うつほ物語』における和歌と歌物語性
      ─藤原兼雅の例から─

  はじめに
  一 『うつほ物語』の和歌─全体像をみる─
  二 俊蔭巻における兼雅の歌物語
  三 あて宮求婚譚における兼雅と和歌
  四 一条殿の女性たちと兼雅の歌物語
  おわりに
 第二章 『うつほ物語』における音楽性とエクリチュール
      ─「語り手」の存在と「会話文」「絵解」─
  はじめに
  一 『うつほ物語』における会話文の先行研究
  二 「会話」・「和歌」の声と音楽
  三 『うつほ物語』の語りと〈絵解〉
  おわりに
 第三章 『うつほ物語』「内侍のかみ」巻における朱雀帝・
      仁寿殿の女御の〈対話〉
  はじめに
  一 帝の対話を引き受ける存在─仁寿殿の女御の意味─
  二 帝の語りⅠ─仁寿殿の女御の手紙をめぐって─
  三 帝の語りⅡ─仲忠とあて宮をめぐって─
  おわりに
 第四章 和歌を「書きつく」ことが示す関係性
      ─『うつほ物語』から『源氏物語』へ─
  はじめに
  一 歌集における「書きつく」
  二 歌物語における「書きつく」
  三 『うつほ物語』における「書きつく」
  四 『源氏物語』の「書きつく」
     ─「扇」に書き付けられた贈答歌─
  おわりに

第三篇
 第一章 『枕草子』における中宮定子の
      「語り」と「書記」一
       ─「清涼殿の丑寅の隅の」章段から─
  はじめに
  一 定子の「語り」①─和歌改変をめぐって─
  二 定子の「語り」②─古今集暗誦をめぐって─
  三 「語り」が書記される場としての『枕草子』
     ─「歌語り」と関わって─
  おわりに
 第二章 『枕草子』における中宮定子の
      「語り」と「書記」二
      ─「殿などのおはしまさで後」章段から─
  はじめに
  一 章段前半における定子と清少納言
  二 定子の「語り」が示すもの
  三 定子の語りを受け止める清少納言
  おわりに
 第三章 『枕草子』雪山の章段における〈聖〉と〈俗〉
  はじめに
  一 常陸の介の聖俗
  二 斎院および卯槌の聖性
  三 雪山のゆくえ
  四 明示されない和歌と語りの問題
  おわりに
 初出一覧
 あとがき
 索 引


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