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9784838610051

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演能空間の詩学

―〈名〉を得ること、もしくは「演技する身体」のパフォーマティブ―
書名かな えんのうくうかんのしがく―なをえること、もしくは「えんぎするからだ」のぱふぉーまてぃぶ
著者(編者)名 深沢 徹 著
著者(編者)名かな ふかざわとおる
ISBNコード 978-4-8386-1005-1
本体価格 3,000円
税込価格 3,300円
判型 四六判並製カバー装
頁数 326頁
刊行日 2023年3月20日
在庫 有り
深沢徹 一連の三部作、これにて完結!

コロナ禍に明け、ロシアのウクライナ侵攻に暮れた、ここ何年間かの世界史的出来事は、従来のライフ・スタイルを一変させた。この時期を当事者とし生き、その空気をめいっぱい吸い込んでそれに寄り添い、伴走するかのような心づもりで本書を書き上げた。

はじめに─名前をめぐる問い─

第Ⅰ章 問題の所在
      ─テキストの「内」と「外」、もしくは『紫式部
       日記』に見る自己言及表現の行為遂行機能─
    一 「こそあど」構文のパフォーマティブ
    二 編纂の果実としての『紫式部日記』
    三 人称表現のパフォーマンス
    四 「ちょうつがい」としての自己言及
    五 メタ・フィクション論の地平
    六 西洋リアリズム演劇と「第四の壁」

第Ⅱ章 真実から三番目に遠く離れて
      ─「源氏能」に見る、「歓待」の
        作法としての「名指し」と「名告り」─
    問題の所在
      ─「ウソ」に「ウソ」を重ねたまがいもの?
    一 「歓待」の作法としての固有名への呼びかけ

    二 「源氏能」の諸相
      (夕顔、半蔀、葵上、野宮、須磨源氏、住吉詣、
       玉鬘、浮舟、源氏供養)
    三 〈他者〉の先行、あるいは対面的な〈場〉の
       「二人称」
    四 「ミメーシス」に「ミメーシス」を重ねるとは
       どういうことか? 

第Ⅲ章 はじめに「二人称」があった
        ─「第四の壁」のへだて、もしくは独我論の
        くびきからの解き放たれ─
    問題の所在─演劇の〈場〉における「作者」の〈死〉
    一 パルマコンとしての「四人称」
    二 演劇のことばのアイロニー
    三 「事実をもって語らせる」ことなどできるのか?
    四 演劇の〈場〉における人称表現の多面的複合形態

第Ⅳ章 かたらう「能」と、かたどる「狂言」
      ─演能の〈場〉における、「アイ(間)」の
        はたらきをめぐって─
    問題の所在─かたどりVSかたらい
    一 主客二元論のくびき
    二 熱くうたう「能」、あるいは〈同化〉の眩惑
    三 〈異化〉の覚醒、あるいは冷たくかたる「狂言」
    四 アレゴリーと異化効果
    付論 「義経もの」にみるアイ(間)の「かたり」の
        諸相
       (鞍馬天狗、烏帽子折、熊坂、橋弁慶、正尊、
        船弁慶、二人静、安宅)

第Ⅴ章 きつねたちは、なにもので、どこからきて、
     どこへいくのか?
      ─〈名〉を得ること、もしくは「演技する身体」
        の行為遂行機能―
    問題の所在─「固有名」の翻訳不可能性と、演劇の
           〈場〉におけるその「再現」
    一 都市伝説─幼年期のきつねたち
    二 上書きされる系譜─「震旦きつね」の飛来
    三 白魔術VS黒魔術─「天竺きつね」の到来
    四 在地(ヒナ)との出会い(一)
       ─「玉藻の前」の場合
    五 在地(ヒナ)との出会い(二)
       ─恨み「葛の葉」の場合
    六 「演技する身体」の行為遂行機能
    七 ミミクリ─変換装置としての『殺生石』、
       そして『釣狐』
    八 ミメーシス─変換装置としての『三輪』、
       そして『翁』

終章 民主の〈かたり〉
     ─三谷邦明が源氏物語研究に遺したもの─
    はじめに─抜き取られた「躾糸」
    一 躾糸としての「固有名」
    二 いくつもの可能世界を拓く「固有名」
    三 架空(ニセ)の「固有名」のあつかいをめぐって
    四 方法としての「カテゴリー・ミステイク」
    五 三谷邦明における「形而上学」の復権
    六 「躾糸」のパフォーマンス

  初出一覧

あとがき─ヴァルター・ベンヤミンに導かれて─

  人名(固有名)索引


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