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研究書(語学系) 詳細
上代日本語研究史の再検討
書名かな | じょうだいにほんごけんきゅうしのさいけんとう |
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著者(編者)名 | 安田尚道 著 |
著者(編者)名かな | やすだなおみち |
ISBNコード | 978-4-8386-0779-2 |
本体価格 | 11,500円 |
税込価格 | 12,650円 |
判型 | A5判上製函入 |
頁数 | 344頁 |
刊行日 | 2023年5月19日 |
在庫 | 有り |
上代日本語に関する橋本進吉の論に疑問を呈し、新たな考察を展開、上代日本語の〝研究史〟に焦点をあてた新論。
万葉仮名の二類の書き分け(上代特殊仮名遣)の存在と、それが音韻の区別に基づくことは、本居宣長・石塚龍麿などがすでに述べていることで、〝橋本進吉がのちに宣長・龍麿とは無関係に独立して発見した〟との説は認めがたい。橋本がはじめ、〝ヌに二類あり、『古事記』ではチにも二類あり〟としたのは、龍麿の『仮字遣奥山路』に基づくものである。宣長・龍麿が認めた『古事記』のモの二類の区別を橋本がのちに否定したためこの区別の再確認を行なった池上禎造・有坂秀世は、その過程で『韻鏡』の利用や「音節結合の法則」などから、上代特殊仮名遣が音韻の区別に基づくことを明確にしたのであった。【本書第5章より】
まえがき
第1章 序説
第2章 朝鮮語と日本語の母音調和と両国語の母音の
対応について
対応について
第3章 「け長し」「長きけ」「朝にけに」「旅のけ」等の
ケについて
ケについて
第4章 上代語の母音はいくつあったか
第5章 石塚龍麿と橋本進吉
─上代特殊仮名遣の研究史を再検討する─
第6章 石塚龍麿の連濁論─『古言清濁考』を読む─
第7章 橋本進吉は何を発見しどう呼んだのか
─上代特殊仮名遣の研究史を再検討する─
第8章 上代特殊仮名遣の〝ノの二類〟の研究史
第9章 「神」と「上(かみ)」は同源だとする説をめぐって
第10章 有坂秀世「上代に於ける特殊な假名づかひ」と
橘守部『稜威道別』
第11章 (分野別名著案内)橋本進吉(述)
『古代國語の音韻に就いて』(神祇院、一九四一)
第12章 『古事記伝』の「仮字の事」をどう読むか
─上代特殊仮名遣の研究史を再検討する─
第13章 『古事記伝』の「仮字の事」に引かれた
『古事記』の用例
『古事記』の用例
第14章 〝ク語法aku説〟とその提唱者たち
第15章 橋本進吉の未定稿「上世の假名遣に關する硏究序論」
について
について
第16章 万葉仮名の二類の区別はどう理解されたのか
─〝音の区別に基づく〟という考えの提起と撤回─
第17章 上代特殊仮名遣研究における未解決の問題
第18章 (特集 人物でたどる日本語学史)石塚龍麿
第19章 上田万年「P音考」前後
第20章 森重敏の万葉仮名論は果たして五母音説なのか?
参考文献一覧
索引
あとがき