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研究書(語学系) 詳細
日本語学会論文賞叢書4 古代日本語文体の計量的研究
書名かな | にほんごがっかいろんぶんしょうそうしょ4 こだいにほんごぶんたいのけいりょうてきけんきゅう |
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著者(編者)名 | 大川孔明 著 |
著者(編者)名かな | おおかわこうめい |
ISBNコード | 978-4-8386-0782-2 |
本体価格 | 10,000円 |
税込価格 | 11,000円 |
判型 | A5判上製カバー装 |
頁数 | 256頁 |
刊行日 | 2023年9月21日 |
在庫 | 有り |
日本語学会論文賞叢書 第4弾!
――古代日本語文体の体系的な位置づけを明らかにする。
日本語とはどのような言語なのか。日本語の文にはどのようなタイプがあるのか。
日本語の実態を把握するうえで、はたして「文体」とは何を指し、どのように理解すればよいのであろうか。
従来の古代日本語の文体研究では、個別作品や少数作品間の比較など、対象が限定的であったという点、個別的で少数の指標や限られた視点からの分析に留まるという点が問題として残り、古代日本語の文体の位置づけを体系的に検討するという段階には至っていなかった。
そこで本論は、古代日本語の文体の体系的な様相を精緻に明らかにすることを目的に、多様で多量な指標から、『日本語歴史コーパス』(CHJ)より用例を収集し、計量的な手法を用いて検討を行う。
【目 次】
凡 例
第1部 序論
第1章 文体論の所在
1.文体という対象
2.文体とは
3.文体論の必要性
4.日本語文体史と類型的文体論
第2章 古代日本語文体史研究の現状と問題
1.はじめに
2.和漢の文体対立に関する研究
3.ジャンル文体に関する研究
4.問題の所在
第3章 計量的文体研究の方法論
1.はじめに
2.計量文体論研究の手法
2.1.計量的手法を用いた文体論研究
2.2.文体研究における計量的手法の有用性
3.『日本語歴史コーパス』の概要と文体史研究への利用
4.本論における検討方法
第2部 計量的手法による類型化
第4章 多様な指標から見た文体類型
1.はじめに
2.調査方法並びに分析手順
2.1.対象作品
2.2.調査の指標とその文体的価値
2.3.分析手法
3.文学作品の文体的特徴
3.1.MVR-名詞率
3.2.文の長さ
3.3.会話文率
3.4.語種率
3.5.引用の「と/など」比率
3.6.文体指標の有効性
4.対象作品の文体類型
5.おわりに
第5章 『今昔物語集』本朝部の文体的位置づけ
1.はじめに
2.先行研究
3.分析方法
4.各指標から見た文体的特徴
4.1.MVR-名詞率
4.2.文の長さ
4.3.会話文率
4.4.語種率
4.5.引用の「と/など」比率
5.『今昔物語集』の文体類型
6.巻16・19・20が例外となる要因
7.おわりに
第3部 語彙的指標に基づく類型化
第6章 和漢の対立に関する語彙から見た文体類型
1.はじめに
2.分析方法
2.1.調査対象
2.2.調査の指標
2.3.分析手法
3.漢語使用率
4.二項対立語の使用率
5.二項対立語のTTR
6.和漢の対立から見た文体類型
6.1.和漢の対立から見た文体類型
6.2.各文学作品の文体的特徴
7.おわりに
第7章 叙述語から見た文体類型
1.はじめに
2.先行研究
2.1.語彙に基づく平安鎌倉時代の文体研究
2.2.計量的手法を用いた文体研究
3.分析方法
3.1.調査対象
3.2.調査の指標
3.3.分析手法
4.品詞ごとに見る作品と語との関係
4.1.副詞と文学作品の関係
4.2.形状詞と文学作品の関係
4.3.形容詞と文学作品の関係
4.4.作品と語との関係におけるまとめ
5.叙述語から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型
6.文学作品の文体と語彙との関係
7.おわりに
第4部 統語・文章的指標に基づく類型化
第8章 文連接法から見た文体類型
1.はじめに
2.先行研究
3.分析方法
3.1.調査対象
3.2.「文連接法」に何を含める必要があるか
3.3.調査の指標
3.4.分析手法
4.作品の文体的特徴
4.1.接続詞率
4.2.指示詞率
4.3.接続助詞率
4.4.無形式率
5.文学作品の文体類型
6.文連接法と和漢の対立
7.おわりに
第9章 叙述類型から見た文体類型
1.はじめに
2.分析方法
2.1.調査対象
2.2.調査の指標
2.3.分析手法
3.作品の文体的特徴
3.1.名詞述語率
3.2.動詞述語率
3.3.形容詞述語率
3.4.形状詞述語率
4.文学作品の文体類型
5.おわりに
第10章 文の長さから見た文体類型
1.はじめに
2.先行研究
3.分析方法
3.1.調査対象
3.2.調査の指標
3.3.分析手法
4.作品の文体的特徴
4.1.一文当たりの語数
4.2.一文当たりの従属節数
4.3.非地の文率
5.文の長さから見た文学作品の文体類型
6.文の長さとジャンル文体
7.おわりに
第5部 古代日本語文体の体系
第11章 古代日本語における文体指標の重要度
1.はじめに
2.分析方法
2.1.対象の文体指標
2.2.対象作品
2.3.分析観点
3.文体指標間の数量的関係性
3.1.量的な面
3.2.質的な面
4.文体指標の重要度
5.おわりに
第12章 古代日本語文体の体系的位置づけ
1.はじめに
2.分析方法
2.1.視点ごとの文体類型
2.2.指標の重要度
2.3.分析手法
3.視点ごとの文体類型の順位づけ
4.平安鎌倉時代の文学作品の文体の体系的な位置づけ
5.体系的に位置づけられた類型的文体の関係
6.おわりに
第6部 結論
第13章 本論の意義と今後に向けて
1.はじめに
2.本論の意義
3.今後の課題
4.おわりに
既出論文との関係
参考文献
あとがき
索 引