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9784838610105

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定本 新島八重伝

倜儻不羈の女
書名かな ていほんにいじまやえでん てきとうふきのおんな
著者(編者)名 吉海直人 著
著者(編者)名かな よしかいなおと
ISBNコード 978-4-8386-1010-5
本体価格 2,000円
税込価格 2,200円
判型 A5判並製カバー装
頁数 240頁
刊行日 2023年10月25日
在庫 有り
倜儻不羈(てきとうふき)の女・新島八重の生涯

 この本の主人公・新島八重は、丈夫な体に不屈の会津魂とキリスト教精神を合わせ持ち、自分の信念を貫き通した女だった。それは新島襄が好んだ「倜儻不羈」のお手本(女性版)でもあった。「倜儻不羈」とは、才能が並はずれていてなにものにも拘束されないという意味である。それは今日まで同志社女子大学の女子教育に継承されている。

 まずは八重の生涯を可能な限り資料でたどり、八重のことをきちんと理解することから始めよう。

 最初に八重の一生について、かつて牧野虎次氏(元同志社総長)が「老刀自(八重)の御生涯は三つに分れてある様です」(『追悼集Ⅵ』394頁)と述べていることに従って、大きく三つの時代に分けることにする。

 第一期は、会津藩士の娘としての誕生から、戊辰戦争敗戦後に米沢に移住するまでの期間である。二十四歳(満二十二歳)の時に鶴ヶ城に籠城して戦った女丈夫としての経験は、その後の八重の人生に大きな影響を及ぼしていると思われる。

 第二期は、兄覚馬を頼って京都へ移住した満二十五歳以降、運命的に新島襄と出逢い、クリスチャンになり、妻として襄の健康面を気遣い続け、その最期を見取るまでの十九年間である(結婚生活は十四年間)。ここで会津の川崎(山本)八重から京都の新島八重へと転身する。

 第三期は、四十四歳で襄と死別した後、満八十六歳で亡くなるまでの四十二年間である(未亡人時代)。この時期が八重の人生で一番長いが、如何せん記録が少ないので穴が多く、克明にたどることはできそうもない。八重の自筆書簡の発掘が急務である。また第三期の八重は、襄と戊辰戦争という二つの〈語り部〉としても活躍している。八重の語る私的な襄についても耳を傾けてほしい。

 
はじめに―八重を学ぼう、八重に学ぼう
倜儻不羈の女・新島八重の生涯

  第一期 会津の女丈夫
八重の出自
種痘を施した母佐久
会津藩の子弟教育
幼馴染みのユキ
男勝りの八重
松平容保について
 〈COLUMN 1〉容保の落書
戊辰戦争勃発
鶴ヶ城籠城
銃と大砲で戦った八重
幕末のジャンヌ・ダルク
 〈COLUMN 2〉八重の歌は「荒城の月」のモデル?
敗戦後の生活
覚馬は生きていた
『管見』について
川崎尚之助の消息
尚之助は詐欺罪の被告
 〈COLUMN 3〉出家した八重?
 
  第二期 ハンサム・ウーマン
山本覚馬について
山本覚馬の妹
英文京都案内記
槙村救出のために上京
覚馬が出版した『百一新論』
川崎尚之助との再会?
襄との奇妙な出逢い
新島襄について
八重の休暇願い
すばやい襄との婚約
 〈COLUMN 4〉『近代女子教育の成立と女紅場』を読んで
同志社英学校開校
襄と結婚
八重のドレス姿は幻想か
家庭生活
 〈COLUMN 5〉襄の蕎麦好き
ハイカラな八重
「鵺」と呼ばれた女
同志社女学校の先生
会津の母娘
イザベラ・バードの証言
妻としての八重
義姉美代の死
襄を諭す八重
黒い眼と茶色の目
襄の短気
自責の杖後日譚
 〈COLUMN 6〉「吉野山」歌について
襄は音痴?
生徒をもてなす八重
 〈COLUMN 7〉会津の板かるた
子供好き
旅行好きな二人
襄の外遊
ユキとの再会
かわいいみつ坊
京都看病婦学校について
同志社看病婦学校
八重は警察官
若様の入学
和楽園での静養
大久保真次郎とのやりとり
「いしがねも」の添削
横田用は別に
襄の最期
 〈COLUMN 8〉ハーディ夫人の菊


  第三期 会津魂再び
蘇峰と仲直り
覚馬の手紙
八重の落胆
亡夫襄をしのぶ歌
未亡人の役目
八重の姪も看護婦?
内藤一夫の死
覚馬の死
『演説家百詠選』に載った覚馬
大津事件
日本赤十字社
篤志看護婦としての八重
広告塔を務めた八重
みつ坊との再会
 〈COLUMN 9〉教科書に載った大島正満のエッセイ
裏千家茶道
襄の十周忌
同志社とのかかわり
八重と広津家の親密さ
広津襄次に注目して
日本のナイチンゲール
岡山へ行く八重
祝いの歌
茶室「寂中菴」の普請
喜寿(二度目)の会津訪問
 〈COLUMN 10〉「心和得天真」をめぐって
安中での襄語り
 〈COLUMN 11〉自由を護った人
女紅場四十周年
八十歳の八重
孫二人の早世
修学旅行生への訓話
単身上京
秩父宮殿下と勢津子姫の結婚
天野謙吉のこと
会津高等女学校での展示会
日本女子大学での講演
 〈COLUMN 12〉「美徳以為飾」をめぐって
 〈COLUMN 13〉秀歌撰に載りそこなった八重
八重の昭和五年
最後(三度目)の会津若松訪問
八重から蘇峰へ
襄の四十年忌
風間久彦と八重の親交
勝ち気な八重
仏教へ改宗?
最晩年の八重
山本家之墓所について
米寿の和歌
懐古談
永眠
八重における広津家の重要性
蘇峰の総括
八重のその後
*   *   *
新島八重略年譜
参考文献抄
後書き

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