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研究書(文学系) 詳細

9784838607846

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平安仮名日記本文考

書名かな へいあんかなにっきほんもんこう
著者(編者)名 岡田貴憲著
著者(編者)名かな おかだたかのり
ISBNコード 978-4-8386-0784-6
本体価格 11,000円
税込価格 12,100円
判型 A5判上製カバー装
頁数 380頁
刊行日 2023年12月13日
在庫 有り

平安仮名日記の本文はどのように受容されてきたのか


 本書に収載するのは、『更級日記』『和泉式部日記(物語)』『蜻蛉日記』の三作品と、近世期における受容に大きな役割を果たした和文叢書『扶桑拾葉集』、および国学者の横山由清をそれぞれ対象とする、平安仮名日記にまつわる十一篇の論考および二篇の関連資料。
不遇を託ってきた資料を繙くことによって、当該作品群が「日記文学」として扱われるよりも前の姿に光を当てることが、本書の目的である。――序より


凡例
第一章 『更級日記』本文変容考
      ─御物本巻末勘物からの誤写を手がかりに─
一 『更級日記』の現存写本
二 脇坂本と御物本の関係
三 二次共通祖本以降のグループ派生
四 直方本グループと系統分岐点の想定
五 鎌倉期における本文変容

第二章 『更級日記』近世期本文の伝流
一 彰考館本の本文混成
二 『扶桑拾葉集』所収本の本文変化
三 絵入本・『群書類従』所収本の本文変化
四 古本の素性とF本との関係
五 総括と展望

第三章 古本『更級日記』と国学者の系譜
一 古本の本文配列
二 現存の古本関係伝本
三 浚明校合本の系譜
四 滋古所持本の系譜
五 系譜の合流点と分岐点

第四章 徳島県立図書館本『さらしなの日記』翻刻



第五章 『和泉式部日記』異本の一様相
      ─「情けなからず」の解釈をめぐって─
一 平安人と「情け」
二 「情けなからず」の系譜
三 『和泉式部日記』の「情けなからず」
四 もう一つの「情けなからず」
五 『和泉式部物語』の言説

第六章 三条西家本『和泉式部日記』の書き入れ注記
一 議論の前提
二 併記の書き入れ注記
三 訂正の書き入れ注記
四 補入の書き入れ注記
五 諸注の採用態度について
六 おわりに

第七章 『和泉式部物語』絵入り板本考
一 刊年と板元
二 伝本の残存状況と特徴
三 元文板本・無刊記板本の問題
四 丁付と挿絵
五 本文

第八章 木村正辞筆本『和泉式部物語』とその周辺
      ─横山由清との交流から黒川本の伝来へ及ぶ─
一 木村本をめぐる憶測
二 木村本の書誌と伝来
三 木村本の黒川本転写
四 横山本の木村本校合
五 黒川本の伝来



第九章 『蜻蛉日記』残欠本小考
      ─碧洋臼田甚五郎文庫本の位置─
一 『蜻蛉日記』諸本と伝本系統
二 碧洋臼田甚五郎文庫本について
三 上巻本文の検討
四 中巻・下巻本文の検討
五 系統上の位置

第十章 碧洋臼田甚五郎文庫本『蜻蛉日記(一・二)』翻刻



第十一章 『扶桑拾葉集』所収『和泉式部物語』の本文
       ─主要伝本の関係と諸本混成の実態─
一 はじめに
二 編纂の経緯と主要伝本の概要
三 主要伝本の関係
四 諸本混成の実態
五 おわりに

第十二章 『扶桑拾葉集』異本成立考
      ─国立歴史民俗博物館所蔵本二種を手がかりに─
一 はじめに
二 新出伝本の概要
三 歴博A本・東博本と霊元天皇献上本
四 歴博B本・御所本と異本Bの正体
五 おわりに

第十三章 横山由清と平安仮名日記
       ─日下田足穂からの蔵書継承の可能性─
一 横山由清の書写・校合活動
二 由清校合本『更級日記』の詳細
三 日下田足穂と岸本由豆流・由豆伎
四 井上文雄の介在
五 由清による足穂蔵書の継承

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索引


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