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研究書(文学系) 詳細

9784838607853

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平安前期物語と和歌史

―現実世界と物語世界を越境する和歌―
書名かな へいあんぜんきものがたりとわかし―げんじつせかいとものがたりせかいをえっきょうするわか―
著者(編者)名 高橋秀子著
著者(編者)名かな たかはしひでこ
ISBNコード 978-4-8386-0785-3
本体価格 8,000円
税込価格 8,800円
判型 A5判上製カバー装
頁数 238頁
刊行日 2024年2月13日
在庫 有り

現実世界と物語世界の和歌


物語が次々と誕生した10世紀。
その物語には必ず和歌が書かれている。
現実世界の和歌と物語世界の和歌は、
どのように同じで、どのように異なるのか――。
物語の和歌を組み込んで和歌史を捉えるという、
新しい試みに踏み出す一書。

凡例

序章
 一、本書の目的
 二、物語の和歌に関する先行研究の傾向
 三、一〇世紀の和歌の主な動きと先行研究
 四、本書の構成

第一章 新しい和歌表現の開拓と物語の和歌
 第一節 『うつほ物語』の和歌と初期定数歌
      ―開拓された和歌表現の展開―
  一、はじめに
  二、『うつほ物語』の和歌と初期定数歌および
     河原院周辺歌人詠の関連
  三、風を「ぬるし」と詠む表現
  四、「すずむ」の語
  五、〈角が落ちる鹿の性質〉を詠む表現
  六、〈蝉の鳴き方〉を詠む表現
  七、終わりに
 第二節 『うつほ物語』の和歌と安法法師の歌
      ―出家者に関する和歌表現―
  一、はじめ
  二、遁世の決意を示す「今はとて」
  三、出家者の環境を表す〈「松風」の寒さ〉
  四、「百敷」と山の対比
  五、終わりに
 補説  出家や極楽往生に関する「すずし」
  一、はじめに
  二、一一世紀までの「すずし」の用例と先行研究
  三、『源氏物語』における出家や極楽往生に
     関する「すずし」
  四、『紫式部日記』消息文に見られる紫式部の思想と
     「すずし」の関連
  五、終わりに

第二章 物語の登場人物と贈答歌
 第一節 『竹取物語』貴公子の求婚譚における贈答歌
      ―かぐや姫の歌の特異性と人物造型―
  一、はじめに
  二、地の文に表れるかぐや姫の人物像
  三、贈答歌におけるかぐや姫の特異性―返歌の場合―
  四、贈答歌におけるかぐや姫の特異性―贈歌の場合―
  五、かぐや姫の歌の先行研究との比較
  六、終わりに
 第二節 『竹取物語』「今はとて」の歌の特異性
  一、はじめに
  二、「今はとて」の歌の先行研究
  三、「思ひ出づ」という語の先行研究
  四、贈答歌における「思ひ出づ」
  五、かぐや姫の「今はとて」の歌の特異性
  六、終わりに
 第三節 『落窪物語』の贈答歌と心情説明
  一、はじめに
  二、贈答歌における詠み手の心情の説明―女君と道頼―
  三、贈答歌における詠み手の心情の説明
     ―あこきから典薬助へ―
  四、終わりに

第三章 物語の構造と和歌
 第一節 『うつほ物語』「国譲・下」巻の水尾訪問段の
      唱和歌群について
  一、はじめに
  二、『うつほ物語』の唱和歌群の機能に関する先行研究
  三、歌群Aについて
  四、歌群Bについて
  五、終わりに
 第二節 『うつほ物語』「楼の上・下」巻の俊蔭女の歌
      ―長編物語の終結における和歌の機能―
  一、はじめに
  二、うつほへの移住を呼び起こす歌
  三、俊蔭を想起させる歌
  四、京極邸を意味付ける歌
  五、過去と現在を対照させる歌
  六、俊蔭女の憂いと秘琴演奏を結び付ける歌
  七、現在の京極邸を詠む歌
  八、京極邸および俊蔭への叙爵と先行の歌の関わり
  九、終わりに

終章
  一、本書のまとめ
  二、一〇世紀の物語を組み込んだ和歌史の研究の展望と
     今後の課題

初出一覧
主要参考文献
あとがき
索引


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