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研究書(文学系) 詳細

9784838607860

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谷崎源氏の基礎的研究

書名かな たにざきげんじのきそてきけんきゅう
著者(編者)名 大津直子著
著者(編者)名かな おおつなおこ
ISBNコード 978-4-8386-0786-0
本体価格 13,500円
税込価格 14,850円
判型 A5判上製カバー装
頁数 470頁
刊行日 2024年2月14日
在庫 有り

凡例
序章
  一  『源氏物語』の近代
  二  谷崎源氏の概要と本書の構成
  三  本書で明らかにしたいこと

研究編
第一編  昭和源氏の実像

 第一章 二つの谷崎源氏

  はじめに
  第一節 削られた『源氏物語』〈旧訳〉にまつわる言説
  第二節 〈新訳〉草稿に見える書き入れの実態
  第三節 新たなる禁忌のコード
    一 玉鬘と光源氏
    二 斎宮女御と光源氏
    三 紫の上と夕霧
    四 空蝉と河内守
  第四節 「文学的翻訳」というあり方
    一 禁忌三箇条という視点の限界
    二 訳者谷崎のねらい
  おわりに

 第二章 許されざる表象
  はじめに
  第一節 「脊髄」から「小骨」へ削除の全貌を概観する
    一 訳出開始から刊行完了に至る経緯
    二 藤壺以後の削除の実態
  第二節 「忌避」の基準は一貫していたか
  第三節 少正卯を誅殺せよ
  第四節 谷崎源氏という表象
  おわりに

 第三章 再び『源氏物語』を「現代」に「移植」する
  はじめに
  第一節 国定教科書論争と〈旧訳〉
  第二節 内在する藤壺――「若紫」巻まで
  第三節 国家主義の象徴を削除する
  第四節 「完全」な〈新訳〉に宿る〈旧訳〉の「余臭」
  おわりに

 第四章 文体を一新する
  はじめに――玉上回顧録の投げかけるもの
  第一節 削除箇所の復活、敬語の削除から
       「です」「ます」調採用へ
  第二節 助力者たちの進言と谷崎
    一 山田の校閲態度
    二 玉上の進言①―物語音読論の立場と敬語
    三 玉上の進言②―「若い読者」への目配り
  おわりに

第二編  翻訳と創作の交渉
 第一章 「文学的翻訳」の創出
  はじめに
  第一節 編集者の目算幻のプランから、谷崎源氏へ
  第二節 訳者の意図
       ―『源氏物語』の「行き方」を再現する
    一 「現代」の「日本文」の弊害
    二 その〈感情〉は誰のものか
  第三節 国文学者の慧眼「現代の小説の姿」を尊重する
  第四節 「源氏のエキスパート」の後悔
       ―最後の「文学的翻訳」
  おわりに

 第二章 創作の内幕『猫と庄造と二人のをんな』論(一)
  はじめに
  第一節 小説の執筆と、源氏訳と
    一 『猫と庄造と二人のをんな』に影響したのは
       「若菜上・下」巻か
    二 源氏訳の進捗状況
  第二節 「帚木」巻から『猫と庄造と二人のをんな』へ
    一 雨夜の品定め灑がれた「非常なる興味」の行く方
    二 左馬頭の体験談から「二人のをんな」の造型へ
  第三節 単行本における削除
  第四節 創作から翻訳へ
  おわりに

 第三章 典拠としての『源氏物語』
      ―『猫と庄造と二人のをんな』論(二)
  はじめに
  第一節 典拠としての『源氏物語』
  第二節 孤閨の嘆きを抱える前妻たち
  第三節 前妻は救済されたか
  おわりに

第三編  古典研究との往還

 第一章 校閲者山田孝雄と『源氏物語』
  はじめに
  第一節 〈新訳〉草稿上の山田の書き入れ
  第二節 国体論者、山田孝雄
  第三節 戦後の山田の『源氏物語』へのまなざし
       ―〈新訳〉に見える注釈態度
  第四節 山田の源氏学
       ―富山市立図書館山田孝雄文庫蔵自筆原稿との
        比較を通して
    一 山田孝雄の『源氏物語』主題論
    二 山田孝雄の源氏学
  おわりに

 第二章 岡崎義恵の「谷崎源氏」論
  はじめに
  第一節 岡崎義恵「谷崎源氏論」とその影響
  第二節 岡崎の批評、その後
  第三節 〈流麗体〉の真骨頂
  おわりに

 第三章 国文学者と時局
  はじめに
  第一節 更衣が参上したか帝が渡御したか
  第二節 戦時下の敬語論
  第三節 近代註釈における〈御前渡り〉
  おわりに

資料編
 一 國學院大學蔵『潤一郎新訳 源氏物語』
    草稿山田孝雄書き入れ旧訳本 本文加筆箇所対照
 二 富山市立図書館山田孝雄文庫蔵自筆原稿翻刻
    「源氏物語は何を目さしてかいたか」翻刻
 三 最後の〈旧訳〉
    ―『藤壺「賢木」の巻補遺』のヴァリアント

 終章
   初出一覧
   関連資料一覧
    一 谷崎源氏以前、および同時代の文献
    二 谷崎源氏にまつわる先行研究
    三 参考文献
   あとがき

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